概要

インターネットサービスは、生活者が日々使う検索・SNS・EC・フリマなどのサービスを提供する市場セグメントです。利用者が増えるほど価値が高まるネットワーク効果が働き、多くの分野で少数のプラットフォームに利用者が集まります。収益は広告、取引の手数料、会員料金が中心で、国内企業はメッセージ・EC・決済などを会員IDとポイントでつなぐ経済圏づくりで、海外の大手と競っています。生成AIによる検索の変化と、個人情報の保護やプラットフォームへの規制の強化が、事業の前提を揺らしています。

含むもの

  • 検索・SNS・メッセージのプラットフォーム
  • EC・フリマなどのマーケットプレイス
  • 求人・予約・メディアなど特定の分野のネットサービス

含まないもの

  • 動画配信(メディア・エンタメ業界で扱う)
  • 企業向けのSaaS(ソフトウェア・SaaSで扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    検索・SNSのプラットフォーム

    検索・動画・SNSを無料で提供し、広告で稼ぐ。世界の広告市場で大きな比重を持つ。

    Alphabet(Google)、Meta

  2. 02

    EC・経済圏をつくる企業

    EC・メッセージ・決済・金融などを会員IDとポイントでつなぎ、生活の多くの場面を押さえる。

    Amazon.com(AWS)、楽天グループ、LINEヤフー

  3. 03

    特定の分野に強いネット企業

    フリマ、求人・予約、ネット広告とメディアなど、特定の分野から事業を広げる。

    メルカリ、リクルートホールディングス、サイバーエージェント

利用者の多さが価値を生むため、首位の企業に利用者が集まりやすい。国内企業は、複数のサービスを会員IDでつなぎ、使う頻度を高めることで対抗している。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01生活者(サービスの利用者)

    便利さと、データを預ける安心を両立させる

    背景

    サービスの利用で、購買や位置などの多くの個人データが集まる。個人情報の保護への関心が高まっている。

    想定される課題

    データの使われ方が分からないと、不安から利用が控えられる。情報の漏えいがあると、信頼が一度に失われる。

    視点

    どのデータを何のために使うかを平易に示し、利用者が選べるようにする。安全への投資と体制を、平時から開示する。

  2. 02広告主・出店者

    集客の場としての価値を、成果で示す

    背景

    ネット企業の収益の多くは、広告主と出店者が支払う広告費と手数料による。ほかのプラットフォームとの比較が常に行われている。

    想定される課題

    効果の測り方がプラットフォームごとに異なり、自社の価値を比べてもらいにくい。

    視点

    販売や来店などの成果に結びつく指標で効果を示す。中小の出店者が成長した事例を、支援の仕組みとともに伝える。

  3. 03規制当局・社会

    プラットフォームとしての責任を果たす

    背景

    アプリストアや大手のプラットフォームに対し、競争の確保や取引の透明性を求める法律の整備が進んでいる。

    想定される課題

    規模の大きさが、独占や不透明さとして受け取られやすい。

    視点

    取引の条件や表示の順位の考え方を開示し、苦情の窓口と改善の実績を示す。社会の課題の解決に、プラットフォームの力をどう使うかを語る。

  4. 04投資家

    AIで変わる検索と広告への備えを示す

    背景

    生成AIによる回答が検索の使われ方を変え、広告の仕組みやサイトへの流入の経路に影響し始めている。

    想定される課題

    従来の広告のモデルが縮むという見方が、評価の不確かさにつながる。

    視点

    AIを自社のサービスに組み込む方針と、新しい収益の形を具体的に示す。

競合・提携・出資の関係

  • 競合2件
    • Meta⇄Alphabet(Google)

      デジタル広告で競合[1]

      Metaは年次報告書でGoogleを、自社と競合する製品を自社プラットフォームに組み込み広告収益を奪いうる競合として挙げている。

    • 楽天グループ⇄Amazon.com(AWS)

      ネット通販で競合[3]

      楽天が日本郵政への株式売却で物流の提携を深めた背景として、Amazonなどとの競争があると報じた。

  • グループ1件
    • ソフトバンクグループ→LINEヤフー

      子会社[2]

      ソフトバンクグループは、LINEヤフーを子会社と位置づけており、同じく子会社のAホールディングスがLINEヤフーの株式の64.42%を持つとしている(2024年9月の開示時点)。

この市場セグメントの用語

ネットワーク効果
利用者が増えるほど、サービスの価値が高まる性質。
プラットフォーム
利用者と事業者など、複数の参加者を結びつける場となるサービス。
マーケットプレイス
多くの出店者や個人が商品を売り買いする、インターネット上の市場。
スマホ新法
スマートフォンソフトウェア競争促進法。スマートフォンのOSやアプリストアを提供する大手に、公正な競争を確保する措置を求める日本の法律。

出典

  1. Meta Platforms, Inc. Form 10-K for fiscal year ended December 31, 2025(新しいタブで開きます) Meta Platforms, Inc. (SEC EDGAR)有価証券報告書公開日 2026.01.29
  2. (開示事項の経過)当社子会社(LINEヤフー株式会社、証券コード4689)による自己株式の公開買付けの結果および取得終了に関するお知らせ(新しいタブで開きます) ソフトバンクグループプレスリリース公開日 2024.09.03
  3. Rakuten to sell 8% stake to Japan Post in Amazon battle(新しいタブで開きます) Reuters(Nippon.com)その他(二次情報)公開日 2021.03.12