概要
ソフトウェア・SaaSは、企業の業務やITの基盤で使うソフトウェアを製品として提供する市場セグメントです。基盤ソフトや大企業向けの業務アプリケーションでは米欧の大手が世界で強く、国内企業は会計・人事・名刺管理など、日本の商習慣や法制度に合わせた分野で存在感を持ちます。売り切りのライセンスから月額・年額のサブスクリプションへの移行が進み、使われ続けることが収益の前提になりました。生成AIの組み込みとAIエージェントの登場で、ソフトウェアの価値の測り方そのものが変わり始めています。
含むもの
- OS・データベースなどの基盤ソフトウェア
- ERP・CRMなどの業務アプリケーション
- 会計・人事などのSaaSと、セキュリティのソフトウェア
含まないもの
- 受託開発(SIer・ITサービスで扱う)
- クラウドの計算資源(クラウド・データセンターで扱う)
構造と主要企業
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01
世界の基盤ソフトウェア
OS、データベース、ERPなど、企業のITの基盤になるソフトウェアを提供する。
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02
世界の業務SaaS
営業・マーケティング・IT運用などの業務を、クラウドのサービスで提供する。
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03
国内の業務パッケージ・セキュリティ
国内企業向けの業務パッケージや、セキュリティのソフトウェアを提供する。
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04
国内のSaaS
中小企業を中心に、会計・人事・請求・名刺管理・情報共有などをクラウドで提供する。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01中小企業の経営者・管理部門
導入の手間より、効果が先に見えるように
背景
インボイス制度や電子帳簿保存法など、法制度の変更をきっかけにSaaSの導入が進んだ。似た機能の製品が多い。
想定される課題
製品の違いが分かりにくく、比較サイトや価格で選ばれやすい。導入後に使いこなせず、解約されることもある。
視点
業種・規模ごとに、導入でどれだけ作業が減ったかを示す。導入の支援と、使いこなすまでの伴走を価値として打ち出す。
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02大企業のIT部門・業務部門
AIで、ソフトウェアの使われ方が変わる
背景
AIエージェントが業務を代わりに行うようになり、人が画面を操作する前提のソフトウェアの価値が問われている。
想定される課題
利用者の数に応じた料金の考え方が、AIの時代に合わなくなるおそれがある。
視点
AIが自社のデータと業務の流れの上で働くことの価値を示す。成果や利用量に応じた新しい料金の考え方を、顧客と一緒に設計する。
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03投資家
成長と利益の両立を、指標で語る
背景
SaaS企業は、先に投資して顧客を増やし、継続の収益で回収するモデルを取る。金利の上昇以降、利益の創出も求められるようになった。
想定される課題
成長の鈍化と赤字の継続が重なると、評価が大きく下がる。
視点
ARR、解約率、売上の継続率などの指標を一貫して開示し、投資の回収の道筋を示す。
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04開発者・販売パートナー
製品の周りに、連携の生態系をつくる
背景
業務のSaaSは、ほかのサービスとの連携の多さで選ばれることが増えている。
想定される課題
連携の仕組みが知られないと、開発者やパートナーが自社の製品の上で事業をつくらない。
視点
APIの公開、開発者向けの情報、パートナーの販売の支援を整え、連携の事例を発信する。
競合・提携・出資の関係
この市場セグメントの用語
- SaaS
- Software as a Service。ソフトウェアをインターネット経由で、月額などの料金で提供する形態。
- ARR
- Annual Recurring Revenue。年間で継続して得られる収益の見込み。SaaS企業の規模を示す指標。
- チャーンレート
- 一定の期間に解約した顧客や収益の割合。
- ERP
- 会計・人事・生産・販売など、企業の基幹の業務を一つにまとめて管理するソフトウェア。
- API
- ソフトウェア同士が機能やデータをやり取りするための接続口。