概要
総合商社と卸売は、メーカーと小売のあいだで商品を集め、運び、資金を回す役割を担ってきました。総合商社は、取引の仲介から事業への投資へと軸足を移し、コンビニや食品の卸を傘下に置いて流通の全体に関わっています。卸売では、医薬品・日用品・食品ごとに大手への集約が進み、物流の効率化が競争の中心になっています。人手不足と物流費の上昇を受けて、商社と卸が組んで物流を共同化する動きも出ています。
含むもの
- 総合商社(生活消費・リテール分野の事業)
- 医薬品・日用品・食品の大手卸売
含まないもの
- 総合商社の資源・エネルギー事業(エネルギーなどの業界で扱う)
- 店舗を運営する小売(ほかの市場セグメントで扱う)
構造と主要企業
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01
小売を傘下に持つ総合商社
コンビニなどの小売に出資し、商品の調達・物流・データを一体で設計する総合商社。
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02
投資先を広げる総合商社
資源・インフラから生活産業まで幅広く投資し、流通の分野では食品・小売関連の事業会社を持つ総合商社。
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03
専門分野の大手卸
医薬品や日用品などの分野で、全国の小売・医療機関に商品を届ける大手の卸売。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01就職を考える学生
「何をしている会社か」が伝わりにくい
背景
総合商社は資源から食品・小売まで事業が広く、自社で店舗や工場を持つより投資先の経営に関わる比重が大きい。
想定される課題
事業の幅が広いほど、仕事の中身が抽象的に見える。人気の高さに比べて、入社後の具体的な役割が想像されにくい。
視点
コンビニや食品の流通など、生活者に身近な事業で担っている役割を具体的な場面で示す。投資先の経営に入る仕事の手触りを、個人の経験として語る。
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02投資家
生活産業の稼ぐ力を、資源と切り分けて示す
背景
総合商社の利益は資源価格に左右されやすく、生活消費の分野は利益の規模が小さく見えやすい。
想定される課題
小売・卸への投資がどれだけ安定した収益を生むのかが、資源の利益の陰に隠れて評価されにくい。
視点
小売・卸の事業を、景気に左右されにくい収益の柱として、投資額と回収の実績で示す。傘下の小売とのデータ・物流の連携を、成長の道筋として語る。
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03メーカー・小売の取引先
「中抜き」ではなく「つなぐ価値」を示す
背景
メーカーと小売が直接取引する場面やネット通販が増え、卸を通す意味が問われている。
想定される課題
卸の役割が手数料を取る中間業者として受け取られると、取引条件の交渉で不利になる。
視点
共同配送や在庫の最適化など、卸が入ることで取引先の物流費と欠品が減る効果を数字で示す。
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04地域社会・行政
物流の担い手としての責任を伝える
背景
トラック運転手の時間外労働の規制などで、物流の人手不足が深刻になっている。
想定される課題
地方の小さな店舗や医療機関への配送が維持できるかに関心が集まるなかで、卸の取り組みが見えにくい。
視点
共同配送や拠点の再編を、地域の供給を守る取り組みとして発信する。災害時の供給の体制も平時から示しておく。
競合・提携・出資の関係
提携1件
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業務提携[1]
三菱商事とメディパルHDが、ヘルスケア・食・日用品の領域で包括的に協業する業務提携を結び、共同出資会社の出資比率を50%ずつにした。
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この市場セグメントの用語
- 総合商社
- 幅広い商品の取引と事業への投資を手がける日本独自の業態。三菱商事・三井物産・伊藤忠商事などを指す。
- 卸売(問屋)
- メーカーから商品を仕入れ、小売店や医療機関などに販売・配送する事業。
- 共同配送
- 複数の企業の荷物を同じトラックで運び、積載率を高めて物流費と人手を減らす仕組み。
- 物流の2024年問題
- 2024年4月からトラック運転手の時間外労働に上限が設けられ、運べる量が減ると懸念された問題。