概要

百貨店と総合スーパーは、衣食住の商品を一つの大型店にそろえる業態です。郊外のショッピングセンターや専門店、ネット通販に客を奪われ、衣料品や住まいの品の売り場が縮んできました。百貨店は都心の旗艦店に集中し、高級品と訪日客の需要、外商(得意客への訪問販売)で稼ぐ形に変わっています。総合スーパーは食品の強化と、店舗の建物を不動産として活かす事業への転換が進み、ファンドや異業種による買収で持ち主が変わる例も出ています。

含むもの

  • 百貨店
  • 総合スーパー(GMS)
  • 食品・衣料品・住居用品を扱う大型のスーパーマーケット

含まないもの

  • 食品が中心のスーパーマーケット・コンビニ(「コンビニ・食品スーパー」で扱う)
  • ディスカウントストア(専門店の業界で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    総合スーパー(GMS)

    食品から衣料品・住居用品までを大型店で扱う。食品の強化と、ショッピングセンターとしての運営に軸を移している。

    イオン、西友

  2. 02

    都市型の百貨店

    都心の旗艦店を中心に、高級品・訪日客・外商で稼ぐ百貨店グループ。不動産の開発・運営も手がける。

    三越伊勢丹ホールディングス、J.フロント リテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オー リテイリング

百貨店は都心の少数の旗艦店に売上が集まり、地方店の閉店が続く。総合スーパーは食品スーパーやディスカウントとの境目が薄れている。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01若い世代の生活者

    「自分の行く場所ではない」という距離

    背景

    百貨店の主な客層は高い年齢層と富裕層、訪日客に寄っている。

    想定される課題

    若い世代にとって百貨店は入りにくい場所になり、将来の得意客が育たない。

    視点

    催事やポップアップ、オンラインの接点で、気軽に来られる理由をつくる。売り場の専門スタッフの知識を、ほかでは得られない価値として見せる。

  2. 02近隣に住む家族

    「何でもある」が「何もない」に見える

    背景

    総合スーパーの衣料品・住居用品の売り場は、専門店やネット通販に比べて品ぞろえと価格の強みが薄れた。

    想定される課題

    食品以外の売り場の存在感が下がり、店に行く理由が食品の買い物だけになる。

    視点

    地域の暮らしの拠点としての役割(行政サービス・医療・交流の場など)を前面に出し、店に寄る理由を広げる。

  3. 03投資家

    店舗を「不動産」としてどう活かすかを示す

    背景

    百貨店・総合スーパーは都心や駅前に大型の店舗と土地を持つ。株主から資本の効率を問われ、再開発や資産の売却が議論になる。

    想定される課題

    小売の売上だけで評価されると、持っている不動産の価値と事業の将来像が伝わらない。

    視点

    再開発や賃貸への転換を含めた店舗ごとの活用計画を示し、小売と不動産を組み合わせた収益の姿を語る。

  4. 04従業員・採用候補者

    縮む業態で働く意味を伝える

    背景

    閉店や売り場の縮小、持ち主の交代が続き、業態の将来を不安視する見方がある。

    想定される課題

    人手が要る接客の仕事なのに、採用でも定着でも他業界に負けやすい。

    視点

    接客の専門性が評価される仕組みと、新しい事業(外商のデジタル化・不動産・EC)に関われる道を具体的に示す。

競合・提携・出資の関係

この市場セグメントの用語

GMS
General Merchandise Storeの略。食品・衣料品・住居用品を一つの大型店でそろえる総合スーパー。
外商
百貨店の担当者が得意客を訪ねたり招いたりして、個別に商品を提案・販売する仕組み。
インバウンド(免税売上)
訪日外国人による購入。百貨店では免税手続きをした売上として集計されることが多い。
テナント化
売り場を自社で運営せず、専門店などに貸して賃料を得る形に切り替えること。

出典

  1. 西友 - 会社情報(新しいタブで開きます) 西友公式サイト