概要

家電量販は、メーカーの家電を大量に仕入れ、店舗とネットで売る事業です。郊外の大型店を広げた企業と、都市の駅前に大型店を構える企業が、合併や買収を重ねて上位の数社に集約されてきました。商品の価格はネット通販と比べられやすく、販売だけでは差がつきにくくなっています。そのため、配送・設置・修理・長期の保証や、住宅・リフォームまで含めた暮らしのサービスで、顧客と長く付き合う形への転換が進んでいます。

含むもの

  • 家電量販店のチェーン
  • 家電量販店のネット通販
  • 携帯電話の販売店

含まないもの

  • 家電の製造(電機・精密の業界で扱う)
  • 総合ネット通販(流通・小売の業界「EC」で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    住まいまで広げる大手

    家電の販売に加えて、住宅・リフォーム・家具などを組み合わせ、暮らし全体を扱う。

    ヤマダホールディングス

  2. 02

    都市型の大型店

    駅前の大型店を中心に、家電以外の商品も幅広くそろえる。郊外型のチェーンを傘下に持つ。

    ビックカメラ、コジマ

  3. 03

    郊外・地域密着型のチェーン

    郊外の店舗を地域ごとに広げ、配送・修理などのアフターサービスで選ばれる。

    ケーズホールディングス、エディオン、ノジマ

上位の数社への集約がほぼ終わり、競争の相手は同業よりもネット通販とメーカーの直販に移っている。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01家電を買い替える生活者

    店で見てネットで買われる問題

    背景

    店頭で商品を確かめたあと、価格の安いネット通販で買う行動が定着している。

    想定される課題

    店員の説明や展示が、他社の売上につながってしまう。

    視点

    設置・下取り・長期保証・修理など、店で買うと得られる安心を、価格と合わせた総額で示す。

  2. 02高齢の世帯

    買ったあとも頼れる存在になる

    背景

    家電の操作の複雑さや故障の対応に困る高齢の世帯が増えている。

    想定される課題

    販売の場面だけの関係では、困ったときに思い出してもらえない。

    視点

    訪問のサポートや点検など、買ったあとの関係を地域の店舗の役割として伝える。

  3. 03家電メーカー

    売り場の価値を、データと体験で示す

    背景

    メーカーは自社のネット直販や体験型の店舗を広げている。

    想定される課題

    量販店の売り場が、価格で比べられるだけの場所と見なされると、メーカーとの交渉力が弱まる。

    視点

    店頭での体験から購入までの顧客の動きをデータで示し、メーカーと共同で売り場をつくる価値を伝える。

  4. 04投資家

    販売から暮らしのサービスへの転換を数字で語る

    背景

    家電の販売は買い替えの周期に左右され、市場全体の伸びは小さい。

    想定される課題

    販売台数の伸びだけで評価されると、成長が描きにくい。

    視点

    保証・修理・リフォームなどのサービスの売上と、会員1人あたりの取引の広がりを示す。

競合・提携・出資の関係

  • グループ1件
    • ビックカメラ→コジマ

      親会社(50.44%)[1]

      コジマのコーポレート・ガバナンス報告書は、親会社をビックカメラとし、ビックカメラが株式の50.44%を持つ筆頭株主としている。

この市場セグメントの用語

ショールーミング
店舗で商品を確かめたあと、店では買わずにネット通販で安く買う行動。
長期保証
メーカーの保証期間を過ぎたあとも、修理などを一定の期間保証する、販売店独自のサービス。
白物家電
冷蔵庫・洗濯機・エアコンなど、家事や暮らしに使う家電。
オムニチャネル
店舗・ネット・アプリなど複数の販売の経路をつなぎ、どこでも同じように買える仕組み。

出典

  1. コーポレート・ガバナンス報告書(新しいタブで開きます) コジマその他公開日 2025.11.28