概要
工作機械・産業用ロボットは、部品を削る工作機械と、工場の作業を自動化するロボット、それらを支える数値制御装置や減速機などの部品をつくる市場セグメントです。日本の企業は、工作機械とロボットの両方で世界の上位を占め、機械の頭脳にあたる制御装置や関節の減速機でも高い存在感を持っています。いま、人手不足で工場の自動化の需要が強まる一方、AIでロボットを自律的に動かすフィジカルAIの開発が進み、IT企業との協業が広がっています。
含むもの
- 工作機械・数値制御装置
- 産業用ロボット
構造と主要企業
-
01
工作機械メーカー
金属などを削って部品をつくる工作機械を開発・販売する企業。自動車や航空機、金型の加工に使われる。
-
02
数値制御装置・産業用ロボット
工作機械を動かす数値制御装置や、溶接・組み立て・搬送などを担う産業用ロボットをつくる企業。
-
03
ロボットの要素部品
ロボットの関節に使う精密減速機など、動きの精度を支える部品をつくる企業。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
-
01顧客企業(製造の現場)
機械を売るから、現場の成果を約束するへ
背景
人手不足で、工場の現場は自動化やロボットの導入、稼働データの活用を求めている。
想定される課題
機械の性能や価格での訴求は、現場の人手不足という本当の課題に届きにくい。
視点
稼働率、省人化、安全性など、現場で得られる成果で語る。導入後の保守やデータの活用まで含めたサービスとして提案する。
-
02投資家
受注の波を越えて、成長の理由を示す
背景
工作機械やロボットの受注は、自動車や電子機器などの設備投資の動きに大きく左右される。
想定される課題
受注の増減ばかりが注目され、中長期の成長の理由が伝わりにくい。
視点
自動化の需要が続く背景と、保守・ソフトウェアなど受注の波に左右されにくい収益を合わせて示す。
-
03IT企業・AIの開発企業
フィジカルAIで、組む相手として選ばれる
背景
AIでロボットを自律的に動かすフィジカルAIの開発で、ロボットメーカーとIT企業・半導体企業の協業が相次いでいる。
想定される課題
AIの主役がIT企業に見えると、ロボットメーカーは機械を提供するだけの存在と受け取られやすい。
視点
現場の動きのデータ、制御の技術、世界の顧客の基盤など、自社にしかない資産を明確にし、対等な協業の相手として発信する。
-
04採用候補者(学生・技術者)
「機械をつくる機械」の価値を伝える
背景
工作機械や減速機は、一般の利用者が目にする製品ではなく、ものづくりの土台にある。
想定される課題
知名度が低く、技術の高さや世界での位置づけが学生や技術者に伝わりにくい。
視点
身近な製品がどの機械からつくられるのかをたどり、世界の工場を支える役割を具体的に見せる。
競合・提携・出資の関係
この市場セグメントの用語
- 工作機械
- 金属などを削ったり加工したりして、機械の部品をつくる機械。「機械をつくる機械」と呼ばれる。
- 数値制御(NC・CNC)
- 工具の動きを数値のプログラムで制御する仕組み。工作機械の頭脳にあたる。
- 精密減速機
- モーターの回転を遅くして力を強める部品。ロボットの関節の精度を左右する。
- フィジカルAI
- ロボットなど現実の世界で動く機械を、AIで判断・制御させる技術。
- 協働ロボット
- 安全柵を設けずに、人のそばで一緒に作業できるように設計されたロボット。