概要

工場の組み立て・溶接・搬送・検査などを、ロボットや制御機器で自動化する事業を扱います。日本はロボットとFA(工場自動化)機器の主要な供給国で、ロボットのメーカーと、制御機器やセンサーを提供するメーカーが組み合わさって工場の自動化を支えています。これまで自動車や電機の大量生産が中心でしたが、人手不足を背景に、中小の工場や多品種少量の生産にも自動化を広げることが求められています。AIでロボットが状況を判断して動く「フィジカルAI」をめぐり、ロボットメーカーとAI・IT企業の連携が始まっています。

含むもの

  • 産業用ロボット
  • FA向けの制御機器・センサー・画像処理
  • ロボットのAI化(フィジカルAI)への取り組み

含まないもの

  • 倉庫・物流センターの自動化(06 物流の省人化で扱う)
  • 工作機械そのもの(工作機械・産業用ロボットの領域で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    産業用ロボットのメーカー

    溶接・組み立て・搬送などを行うロボットアームを開発・製造する。モーターや制御の技術を強みとする。

    ファナック、安川電機、川崎重工業、不二越

  2. 02

    FA向けの制御機器・センサー

    生産ラインを動かす制御機器、ものの位置や不良を見分けるセンサーや画像処理の機器を提供する。ロボットを含めたラインをまとめて提案することもある。

    キーエンス、オムロン、三菱電機

ロボットは単体では動かず、制御機器やセンサー、ラインを組み上げるシステムインテグレーターと組み合わせて導入される。AIで動作を賢くする取り組みでは、半導体・IT企業との連携が増えている。

コミュニケーションの課題と視点

この領域の競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01中小製造業の経営者・工場長

    自社の工場には無理だと思われている

    背景

    ロボットの導入は大手の量産工場が中心で、中小の工場では費用、設置の場所、扱える人材が壁になっている。

    想定される課題

    大規模な導入事例を見せるほど「うちには関係ない」と受け取られ、人手不足の切実な層に届かない。

    視点

    小さく始められる導入の形(一工程からの自動化、協働ロボット、導入支援の窓口)を、同じ規模の工場の事例で示す。

  2. 02システムインテグレーター(ロボットの導入を担う企業)

    導入を担う人手も足りない

    背景

    ロボットの導入には、ラインを設計して組み上げるシステムインテグレーターが欠かせないが、その担い手も不足している。

    想定される課題

    メーカーが需要を喚起しても、導入を担う側の手が回らず、案件が進まない。

    視点

    パートナーの育成、設定を簡単にするソフトウェア、教育の場づくりを、メーカーの取り組みとして発信する。

  3. 03AI・ソフトウェアの開発者

    ロボットが開発の対象として見られていない

    背景

    AIでロボットを動かすフィジカルAIが注目され、ロボットメーカーがAI企業やIT企業と連携を始めている。

    想定される課題

    ロボットは閉じた専用機の印象が強く、AIの開発者が参加しにくい。人材の獲得でもIT企業に見劣りしやすい。

    視点

    開発環境の公開やシミュレーションへの対応を、開発者向けの情報として整える。「現実の世界でAIを動かせる場」として語る。

  4. 04投資家

    設備投資の波と、長期の需要を分けて伝える

    背景

    ロボットやFA機器の受注は、自動車・電機・半導体の設備投資の増減に左右される。一方で人手不足による自動化の需要は長く続く。

    想定される課題

    短期の受注の増減だけで評価され、人手不足に応える長期の成長が伝わりにくい。

    視点

    業種・地域別の需要や、保守・ソフトウェアなど継続的な収益の比率を示し、景気の波と構造的な需要を分けて説明する。

競合・提携・出資の関係

  • 提携3件
    • 富士通⇄ファナック

      フィジカルAIの事業検討[2]

      富士通とファナック、安川電機、川崎重工業の4社が、ロボットを自律的に動かす協調制御基盤の共同構築に向けて事業検討を始めた。

    • 富士通⇄安川電機

      フィジカルAIの事業検討[3]

      富士通と安川電機など4社が、製造・物流・ヘルスケアでのロボットの自律稼働をめざす協調制御基盤の事業検討を始めた。

    • 富士通⇄川崎重工業

      フィジカルAIの事業検討[4]

      富士通と川崎重工業など4社が、ロボットを自律的に動かす協調制御基盤の共同構築に向けて事業検討を始めた。

  • 技術提供1件
    • NVIDIA→ファナック

      フィジカルAIで技術連携[1]

      ファナックは、NVIDIAの技術と自社のロボット・モーション制御技術を組み合わせ、フィジカルAIによる自動化のソリューションを展開するとしている。

この領域の用語

FA(ファクトリーオートメーション)
工場の生産工程を、機械や制御装置で自動化すること。
協働ロボット
安全柵なしで人のそばで作業できるように設計されたロボット。
システムインテグレーター(SIer)
ロボットや機器を組み合わせ、顧客の工場に合わせた生産ラインを設計・構築する企業。
フィジカルAI
ロボットなど現実の世界で動く機械を、AIが状況を判断して制御する技術。
マシンビジョン
カメラと画像処理で、ものの位置や不良を自動で見分ける技術。

出典

  1. Physical AI Technology(NVIDIAとの取組み)(新しいタブで開きます) ファナック公式サイト
  2. 富士通、ロボット大手3社とフィジカルAI基盤を共同開発へ、NVIDIAの世界基盤モデルも活用(新しいタブで開きます) IT Leaders(インプレス)その他(二次情報)公開日 2026.07.16
  3. 富士通、ロボット大手3社とフィジカルAI基盤を共同開発へ、NVIDIAの世界基盤モデルも活用(新しいタブで開きます) IT Leaders(インプレス)その他(二次情報)公開日 2026.07.16
  4. 富士通、ロボット大手3社とフィジカルAI基盤を共同開発へ、NVIDIAの世界基盤モデルも活用(新しいタブで開きます) IT Leaders(インプレス)その他(二次情報)公開日 2026.07.16