概要
放送・映像配信は、番組や映像をつくり、放送の電波とインターネットで届ける市場セグメントです。国内では、東京のキー局を中心とする民間放送のネットワークと、受信料で運営する公共放送が長く中心を担ってきました。いま、視聴の時間はインターネットの動画配信に移り、世界の配信サービスや国内の配信事業者との競争と協業が同時に進んでいます。放送局は、テレビ広告に頼る形から、配信・番組の販売・イベントなど、コンテンツを多くの窓口で稼ぐ形への転換を急いでいます。
含むもの
- 地上波の民間放送局と公共放送
- 衛星・ケーブルの放送
- 定額制・広告型の動画配信サービス
含まないもの
- 映画の制作・配給(映画・アニメ・キャラクターで扱う)
- SNSの動画(IT・通信業界のインターネットサービスで扱う)
構造と主要企業
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01
民間放送のキー局
東京のキー局として全国の系列局に番組を供給し、広告と番組の販売で稼ぐ。
日本テレビホールディングス、TBSホールディングス、フジ・メディア・ホールディングス、テレビ朝日ホールディングス、テレビ東京ホールディングス
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02
公共放送
受信料で運営し、ニュース・教育・文化の番組を全国に届ける。
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03
動画配信サービス
定額の料金や広告で、映画・ドラマ・アニメ・スポーツなどを配信する。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01視聴者(特に若い世代)
テレビ局のコンテンツに、配信で出会ってもらう
背景
若い世代ほどテレビの受像機で放送を見る時間が減り、スマートフォンでの動画の視聴が増えている。
想定される課題
放送の時間に合わせた番組づくりのままでは、若い世代の視聴の習慣に入り込めない。
視点
見逃しの配信、SNSの短い動画、配信での先行公開を組み合わせ、番組に出会う入口を増やす。
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02広告主・広告会社
テレビ広告の価値を、データで示し直す
背景
広告費はインターネットに移り、テレビ広告にも効果の測定と、届ける相手を絞った配信が求められている。
想定される課題
多くの人に一度に届くという強みが、効果の測りにくさで評価されにくくなっている。
視点
配信と放送を合わせた到達と、購買などの効果を測る指標を整え、ネット広告と同じ物差しで比べられるようにする。
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03視聴者・社会
放送の信頼と、組織の統治を示す
背景
放送は公共の電波を使う事業で、番組の公正さや組織の統治に社会の厳しい目が向けられている。
想定される課題
組織の問題が起きると、番組や広告の取引にまで影響が広がる。
視点
番組制作の倫理、出演者や制作者の人権への配慮、統治の仕組みを平時から開示し、外部の目を取り入れる姿勢を示す。
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04投資家
広告の会社から、コンテンツの会社へ
背景
放送局は不動産などの資産を多く持ち、資本の効率の改善を求める株主の声が強まっている。
想定される課題
広告収入の減少が続くと、成長の道筋が見えにくい。
視点
番組の販売、配信、海外、イベントの収益の推移と、資本の配分の方針を示す。
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05系列の地方局
系列のネットワークを、地域の価値として保つ
背景
地方局は、キー局の番組の放送と地域の広告で経営を支えてきた。地域の人口と広告費が減り、経営の統合や設備の共同利用が議論されている。
想定される課題
配信の時代に系列の意義が伝わらないと、地方局の存続と地域の報道の担い手が揺らぐ。
視点
地域のニュースや災害時の報道など、地方局が担う公共的な役割を示す。キー局と地方局が配信や番組の制作で協力する姿を発信する。
競合・提携・出資の関係
この市場セグメントの用語
- キー局
- 東京に本社を置き、全国の系列局に番組を供給する民間放送局。
- 系列局
- キー局と番組の供給やニュースの取材で結びつく、地方の放送局。
- SVOD・AVOD
- SVODは月額の定額で、AVODは広告を見る代わりに無料で動画を配信する方式。
- 受信料
- NHKの運営を支える料金。受信の設備を持つ世帯などが支払う。
- TVer
- 民放各局が共同で運営する、番組の無料の配信サービス。