概要

音楽・ライブは、楽曲をつくって権利を管理し、配信やライブを通じてファンに届ける市場セグメントです。世界では定額制の配信の普及で音楽の市場が再び成長し、大手のレコード会社が多くの楽曲の権利を持っています。日本はCDなどのパッケージの比率がなお高い一方、配信への移行と、ライブ・グッズ・ファンクラブを組み合わせた収益が伸びています。日本の楽曲が配信やSNSを通じて海外で聴かれる例も増え、海外に向けた展開が新たな課題になっています。

含むもの

  • レコード会社・音楽出版社・アーティストのマネジメント
  • 音楽の配信サービス
  • ライブの企画・運営とチケットの販売

含まないもの

  • アニメ・映画の制作(映画・アニメ・キャラクターで扱う)
  • 放送局の音楽番組(放送・映像配信で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    レコード会社・音楽事業者

    アーティストを発掘・育成し、楽曲の制作・宣伝と権利の管理を担う。

    ソニーグループ、ユニバーサル ミュージック グループ、エイベックス

  2. 02

    音楽の配信サービス

    定額制などで楽曲を配信し、再生の数に応じて権利者に対価を支払う。

    スポティファイ、Apple

  3. 03

    ライブ・チケット

    コンサートの企画・運営や、チケットの販売を担う。

    ライブ・ネイション・エンターテインメント、ぴあ

楽曲の権利を持つレコード会社と、聴く場を持つ配信サービスが、条件の交渉で向き合う。ライブとグッズが、アーティストとファンを結ぶ収益の柱になっている。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01ファン(国内・海外)

    聴く・行く・集めるを、一つの体験としてつなぐ

    背景

    ファンは配信で聴き、SNSで情報を得て、ライブやグッズで応援する。

    想定される課題

    接点が分散し、ファンとの関係を企業が把握しにくい。チケットの高額な転売も、ファンの体験を損なう。

    視点

    ファンクラブやアプリで、聴く・行く・買うをつなぐ。公式の再販売の仕組みなど、正規の手段で安心して参加できる環境を示す。

  2. 02アーティスト・クリエイター

    配信の時代に、組む理由を示す

    背景

    アーティストは配信やSNSで、レコード会社を通さずに作品を発表できるようになった。

    想定される課題

    レコード会社と組む利点が伝わらないと、才能のあるアーティストと契約できない。

    視点

    海外展開、ライブの制作、権利の管理など、個人では難しい支援の実績を示す。収益の配分の考え方を分かりやすく説明する。

  3. 03投資家

    楽曲の権利を、長く稼ぐ資産として示す

    背景

    配信の普及で、過去の楽曲からも継続して収益が生まれるようになった。

    想定される課題

    新曲のヒットに注目が集まり、楽曲の権利という資産の価値が伝わりにくい。

    視点

    保有する楽曲の数と、過去の楽曲からの収益の推移を示す。配信の料金の改定など、市場の成長の見通しを説明する。

  4. 04社会

    生成AIと音楽の権利の線引きを示す

    背景

    生成AIで楽曲をつくるサービスが広がり、既存の楽曲の学習や、似た楽曲の扱いが議論されている。

    想定される課題

    権利の主張だけでは、新しい技術に反対する業界と受け取られやすい。

    視点

    アーティストの権利を守るルールと、AIを創作に生かす取り組みの両方を示す。

競合・提携・出資の関係

この市場セグメントの用語

原盤権
録音された音源の権利。レコード会社などが持ち、配信や利用の許可に使う。
音楽出版社
作詞・作曲の権利を管理し、楽曲の利用を広げる会社。
サブスクリプション配信
月額の料金で、多くの楽曲を聴き放題にする配信。
推し活
好きなアーティストやキャラクターを応援する活動。ライブやグッズの消費を支える。

出典

  1. Universal Music Group and Spotify Strike a New Multiyear Agreement(新しいタブで開きます) Spotifyプレスリリース公開日 2025.01.26