概要

ゲームは、ゲーム機とソフトウェア、スマートフォンのアプリを通じて、遊びの体験を届ける市場セグメントです。日本は、ゲーム機を持つプラットフォーマーと、世界的なシリーズを持つパブリッシャーがそろう数少ない国です。パッケージの販売から、ダウンロードの販売や、基本無料で遊べてアイテムなどに課金する形への移行が進み、発売後も長く運営するタイトルが収益を支えています。開発費の高騰と、大手による出資や買収が、競争の前提を変えています。

含むもの

  • ゲーム機と、その上のオンラインのサービス
  • 家庭用・PC・スマートフォン向けのゲームの開発と販売
  • ゲーム事業を持つネット企業

含まないもの

  • パチンコ・パチスロ機
  • ゲームのキャラクター商品の詳細(映画・アニメ・キャラクターで扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    ゲーム機のプラットフォーマー

    ゲーム機と、その上のオンラインのサービスを持ち、自社と他社のゲームを流通させる。

    任天堂、ソニーグループ、Microsoft

  2. 02

    日本のパブリッシャー

    人気のシリーズを開発・販売し、ゲーム機・PC・スマートフォンの複数で展開する。

    バンダイナムコホールディングス、スクウェア・エニックス・ホールディングス、カプコン、コナミグループ、セガサミーホールディングス、KADOKAWA

  3. 03

    ネット企業・海外大手のゲーム事業

    スマートフォン向けのゲームや、世界のゲーム会社への出資で事業を広げる。

    騰訊控股(テンセント)、サイバーエージェント

ゲーム機を持つ企業がソフトの流通の場を押さえ、パブリッシャーは複数の機種とPC・スマートフォンにタイトルを広げる。開発費の高騰で、資本力のある企業による出資や提携が続いている。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01世界のプレイヤー

    発売の後も、遊び続けてもらう関係をつくる

    背景

    ゲームはダウンロードの販売と追加のコンテンツ、オンラインでの運営で、発売後も長く収益を得る形になっている。

    想定される課題

    発売の時の宣伝に偏ると、長く遊ぶ理由が伝わらない。運営の判断が、プレイヤーの反発を招くこともある。

    視点

    アップデートの予定や運営の方針を、プレイヤーと対話しながら示す。コミュニティや配信者との関係を、長期の資産として育てる。

  2. 02採用候補者(開発者・クリエイター)

    世界と戦える開発の場として選ばれる

    背景

    開発の規模が大きくなり、エンジニアやアーティストの需要が国内外で高まっている。海外の企業も日本で採用を進めている。

    想定される課題

    作品の知名度に比べ、開発の環境や働き方が伝わっていない。

    視点

    開発のプロセス、使う技術、クレジットの扱いなど、つくり手の視点の情報を発信する。

  3. 03投資家

    ヒット頼みから、IPの多面展開へ

    背景

    ゲームの業績は大型タイトルの発売の時期と評判で大きく変わる。各社はIPを映像や商品に広げている。

    想定される課題

    発売の延期や不振が、業績の大きな振れとして受け取られる。

    視点

    既存のタイトルの継続した売上、IPの映像化・商品化、複数の機種での展開による収益の安定を示す。

  4. 04保護者・社会

    遊びの価値と、安心の両立を示す

    背景

    課金の仕組みや、子どもの遊ぶ時間への懸念がある。一方で、ゲームは学びや交流の場としても注目されている。

    想定される課題

    懸念への説明が不足すると、業界全体の印象を損なう。

    視点

    年齢区分や保護者向けの機能、課金の仕組みを分かりやすく示す。ゲームが生む交流や学びの価値を、具体的に発信する。

競合・提携・出資の関係

  • 出資2件
    • ソニーグループ→KADOKAWA

      筆頭株主・資本業務提携[2]

      ソニーはKADOKAWAとの資本業務提携で新株を約500億円で取得し、約10%を持つ筆頭株主になった。両社は作品の実写化やアニメの共同制作、海外への流通などでの協業を検討する。

    • ソニーグループ→バンダイナムコホールディングス

      出資・業務提携[3]

      ソニーはバンダイナムコの株式の約2.5%を既存の株主から約680億円で取得し、アニメ・マンガのIPのファンの拡大に向けた業務提携を結んだ。

  • 技術提供1件
    • Microsoft→サイバーエージェント

      Azure OpenAIを広告AIに活用[1]

      サイバーエージェントは日本マイクロソフトのAzure OpenAI Service(GPT-4o PTU)を国内で先行利用し、広告クリエイティブの効果予測・生成AIに活用している。

この市場セグメントの用語

プラットフォーマー
ゲーム機やストアなど、ゲームが遊ばれ、売られる場を持つ企業。
パブリッシャー
ゲームの企画・資金の手当て・販売を担う企業。開発を外部に任せる場合もある。
基本無料(F2P)
遊ぶのは無料で、アイテムなどへの課金で稼ぐ方式。
ライブサービス
発売後も更新とイベントを続け、長く遊んでもらうゲームの運営の形。
マルチプラットフォーム
一つのゲームを、複数のゲーム機・PC・スマートフォンで展開すること。

出典

  1. サイバーエージェント、Azure OpenAI Service GPT-4o PTUの国内先行利用を開始(新しいタブで開きます) 株式会社サイバーエージェントプレスリリース公開日 2024.06.24
  2. KADOKAWA and Sony Agree to Form Strategic Capital and Business Alliance(新しいタブで開きます) KADOKAWA・ソニーグループプレスリリース公開日 2024.12.19
  3. Bandai Namco and Sony Sign Strategic Partnership(新しいタブで開きます) バンダイナムコホールディングス・ソニーグループプレスリリース公開日 2025.07.24