概要

ドラッグストアは、医薬品・化粧品・日用品に加えて食品を安く売り、近年もっとも伸びてきた小売の業態です。調剤を併設する店を増やして病院の処方箋を受ける形と、食品の品ぞろえを広げて毎日の買い物の場になる形とで、成長の道筋が分かれています。出店の余地が減るなかで大手どうしの統合が進み、イオンを中心とする最大の連合が生まれました。今後は、規模を生かした仕入れと、会員データを使った健康支援やリテールメディアが競争の軸になります。

含むもの

  • ドラッグストアのチェーン
  • ドラッグストアに併設する調剤薬局

含まないもの

  • 調剤だけを行う薬局のチェーン(医薬・ヘルスケアの業界で扱う)
  • 医薬品の製造(医薬・ヘルスケアの業界で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    調剤併設型の大手グループ

    調剤を併設する店舗を広げ、医薬品から日用品まで扱う大手。統合で規模を拡大している。

    ツルハホールディングス、ウエルシアホールディングス、スギホールディングス

  2. 02

    都市型・美と健康に強い

    都市部の店舗と化粧品・医薬品の品ぞろえ、プライベートブランドで選ばれるチェーン。

    マツキヨココカラ&カンパニー、サンドラッグ

  3. 03

    食品を強化した郊外型

    郊外の大型店で食品を安く売り、毎日の買い物の場として客を集めるチェーン。

    コスモス薬品

大手どうしの統合で上位への集中が進む一方、調剤・美容・食品のどこに重心を置くかで戦い方が分かれている。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01地域の生活者

    「安い店」から「健康の相談先」へ

    背景

    ドラッグストアは食品と日用品の安さで客を集めてきた。調剤の併設が進み、薬剤師が常駐する店が増えている。

    想定される課題

    安さで選ばれるほど、健康の相談ができる場所としての役割が伝わりにくい。

    視点

    薬剤師への相談・検査・健康のアプリなど、地域の健康の拠点としての役割を、具体的な利用の場面で示す。

  2. 02薬剤師・採用候補者

    店舗で働く薬剤師のやりがいを示す

    背景

    調剤の拡大で薬剤師の需要が高まり、病院や調剤薬局と人材を取り合っている。

    想定される課題

    ドラッグストアの薬剤師は物販の仕事も多いと見られ、専門職としての成長の道が伝わりにくい。

    視点

    在宅医療・服薬の指導・健康相談など、専門性を生かす仕事と、そのための教育の仕組みを具体的に見せる。

  3. 03投資家

    統合の効果を、時期と数字で約束する

    背景

    大手どうしの統合で売上高2兆円を超える連合が生まれ、仕入れ・物流・システムの統合が課題になっている。

    想定される課題

    統合の効果が見えるまで時間がかかり、店舗ブランドの重複や人の融合への不安が評価を下げる。

    視点

    仕入れ・物流・プライベートブランドの統合の効果を、段階ごとの目標と実績で示す。

  4. 04メーカー(医薬品・化粧品・日用品)

    売り場とデータを共同の資産にする

    背景

    大手チェーンは会員の購買データを持ち、店頭のサイネージやアプリでの広告(リテールメディア)を始めている。

    想定される課題

    メーカーにとって、広告の効果の測り方がチェーンごとに異なり、予算を出しにくい。

    視点

    効果の測り方をそろえ、複数のチェーンを横断して出稿しやすくする。メーカーと共同で商品を開発する取り組みも示す。

競合・提携・出資の関係

この市場セグメントの用語

調剤併設型
医師の処方箋に基づいて薬を調合する調剤薬局を、ドラッグストアの中に設けた店舗。
OTC医薬品
医師の処方箋がなくても薬局・ドラッグストアで買える医薬品(一般用医薬品)。
プライベートブランド(PB)
小売が自ら企画し、自社の店で売る独自の商品。
登録販売者
一般用医薬品の多くを販売できる資格。薬剤師がいない時間帯の販売を支える。

出典

  1. 臨時報告書(親会社の異動)(新しいタブで開きます) ツルハホールディングス有価証券報告書公開日 2026.01.07
  2. 臨時報告書(特定子会社の異動)(新しいタブで開きます) イオン有価証券報告書公開日 2026.01.07
  3. トライアル×スギ薬局が「TOKYO Retail Media Federation」発足(新しいタブで開きます) トライアルホールディングスプレスリリース公開日 2026.09.30