概要

人材サービスは、企業が働き手を見つけ、雇い、送り出してもらうための事業です。大手は求人広告・人材紹介・派遣をひとつのグループで手がけ、求職者の登録と企業の求人の両方を集める規模で競っています。ここでは、業界の事業の形として、マッチングの場を運営するか、人を雇って送り出すかという違いに注目します。人手不足で需要は強い一方、AIによる求人と求職者の照合が広がり、紹介の担当者が担ってきた仕事の価値が問い直されています。

含むもの

  • 求人広告・求人検索のサービス
  • 人材紹介(転職の仲介)
  • 人材派遣・業務請負
  • ダイレクトリクルーティング

含まないもの

  • 単発・短時間の仕事の仲介(人手不足のテーマ「スキマバイト・フリーランス」で扱う)
  • 人事・労務のソフトウェア(人手不足のテーマ「HR Tech」で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    総合人材グループ

    求人広告・人材紹介・派遣などを一つのグループで手がけ、採用のあらゆる場面に関わる大手。

    リクルートホールディングス、パーソルホールディングス、パソナグループ、マイナビ

  2. 02

    マッチングの場を運営する

    求人広告やスカウトの場をつくり、企業と求職者を結びつける。登録者のデータと集客の力で競う。

    エン、ディップ、ビジョナル

  3. 03

    分野を絞った紹介・派遣

    管理職・専門職や製造の現場など、対象を絞って人を紹介・派遣する。

    ジェイエイシーリクルートメント、UTグループ

人材サービスの収益は、求人広告の掲載料、紹介の成功報酬、派遣の料金という異なる形で成り立つ。大手はこれらを組み合わせ、景気の波を和らげている。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01採用に困っている中小企業

    「載せても応募が来ない」に答える

    背景

    働き手の数が減り、求人を出しても応募が集まらない企業が増えている。

    想定される課題

    掲載や紹介の料金に見合う成果が出ないと、サービスそのものへの不信が広がる。

    視点

    求人の書き方や条件の見直し、採用後の定着までの支援を一体で示す。成果の出た事例を業種・地域ごとに伝える。

  2. 02転職を考える個人

    紹介の担当者に会う意味を示す

    背景

    求人検索とAIの推薦で、自分で求人を探して応募する人が増えている。

    想定される課題

    担当者を通す紹介の価値が見えにくくなり、「紹介料のために転職を勧められる」と疑われやすい。

    視点

    キャリアの相談・面接の準備・条件の交渉など、担当者だから提供できる支援を、利用者の声とともに示す。

  3. 03派遣で働く人・社会

    派遣という働き方の安心を伝える

    背景

    派遣には雇用の不安定さのイメージがつきまとい、法改正で同一労働同一賃金への対応が求められている。

    想定される課題

    働く人から選ばれにくくなると、派遣の担い手が集まらない。

    視点

    待遇・教育・キャリアの支援の実績を開示し、派遣が経験を積む道として機能していることを示す。

  4. 04投資家

    AIで変わる収益の形を説明する

    背景

    AIによる求人と求職者の照合が広がり、仲介の手間とコストの構造が変わりつつある。

    想定される課題

    AIが仲介を代替するとの見方が広がると、紹介・広告の事業の成長性が低く見積もられる。

    視点

    AIを自社の事業の効率と成果を高める道具として位置づけ、照合の精度や1件あたりのコストの改善を指標で示す。

競合・提携・出資の関係

この市場セグメントの用語

人材紹介
転職を希望する人を企業に紹介し、採用が決まったときに企業から成功報酬を受け取る事業。
人材派遣
派遣会社が雇った人を企業に送り出して働いてもらう事業。指揮命令は派遣先の企業が行う。
ダイレクトリクルーティング
企業が人材データベースから候補者を探し、直接スカウトを送る採用の方法。
同一労働同一賃金
同じ仕事をする正社員と非正規の働き手のあいだで、不合理な待遇の差をなくすルール。

出典

  1. グループ会社一覧(新しいタブで開きます) パーソルホールディングス公式サイト