概要

コンサルティングは、企業や行政が抱える経営の課題を、外部の専門家として分析し、解決を手伝う事業です。DXの需要を受けて市場が大きく伸び、戦略の立案だけでなく、システムの導入や業務の運用まで手がける会社が増えました。ここでは、DXのテーマの領域とは別に、人を雇って育て、案件に配置して稼ぐという業界の事業の形に注目します。採用で規模を広げてきた会社が多く、AIによる資料作成や分析の自動化が、人数で稼ぐ形を変え始めています。

含むもの

  • 戦略・業務・ITのコンサルティング
  • 総合系・国内系・独立系のコンサルティングファーム

含まないもの

  • システムの開発・運用を主とするシステムインテグレーター(DXのテーマ「SIer」で扱う)
  • 会計監査・税務の業務

構造と主要企業

  1. 01

    グローバルの総合系ファーム

    世界的なネットワークを持ち、戦略からシステム導入・運用までを一貫して手がける。

    アクセンチュア、PwC、IBM

  2. 02

    国内の大手系ファーム

    シンクタンクやIT企業のグループとして、国内の大企業・官公庁を中心に支援する。

    野村総合研究所、アビームコンサルティング

  3. 03

    国内の独立系ファーム

    特定の企業グループに属さず、人材の採用と育成で規模を広げてきたコンサルティング企業。

    ベイカレント、シグマクシス・ホールディングス

コンサルティングの売上はおおむね「人数×単価×稼働率」で決まる。採用の力と、案件に人を配置する力が競争の中心にある。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01依頼を検討する企業の経営者

    「報告書で終わる」不安に答える

    背景

    コンサルティングの需要は伸びたが、提言が実行されずに終わった経験を持つ企業も多い。

    想定される課題

    高い報酬に見合う成果が出るのか、依頼する側が判断しにくい。

    視点

    提言から実行・定着までの関わり方と、成果を測る指標をあらかじめ示す。成果に応じた報酬の形も選択肢として示す。

  2. 02採用候補者(若手・中途)

    成長の場か、消耗の場か

    背景

    コンサルティング会社は大量に採用し、若手の人気の就職先になっている。長時間労働や早期の離職も話題になる。

    想定される課題

    成長の機会の大きさと働き方の厳しさが表裏一体で伝わり、入社後のギャップが離職を招く。

    視点

    育成の仕組み・案件の選び方・キャリアの実例を具体的に示し、働き方の実態も率直に伝える。

  3. 03投資家

    AIの時代の成長の道筋を示す

    背景

    AIが調査・分析・資料作成を担うようになり、人数で稼ぐ形の持続性が問われている。

    想定される課題

    人員の増加を成長の原動力として語るほど、AIによる代替の不安が評価に表れる。

    視点

    AIを使った1人あたりの付加価値の向上や、AIの導入支援という新しい需要を、指標と案件の例で示す。

  4. 04ソフトウェア企業・クラウド事業者

    提携の深さを差別化の材料にする

    背景

    大手のコンサルティング会社は、ERPやクラウドの事業者と提携し、導入の案件を共同で手がける。

    想定される課題

    どのファームも同じ製品の提携をうたい、違いが見えにくい。

    視点

    認定の資格者の数や導入の実績、共同で開発した業種向けの仕組みなど、提携の深さを具体的に示す。

競合・提携・出資の関係

この市場セグメントの用語

総合系ファーム
戦略・業務・IT・運用まで幅広いサービスを一つの会社で提供するコンサルティング会社。
稼働率
コンサルタントの勤務時間のうち、顧客の案件に従事して報酬につながった時間の割合。
PMO
Project Management Officeの略。大きなプロジェクトの進み具合や課題を管理し、推進を支える役割。
ハイパースケール採用
短い期間に大量の人を採用して規模を広げる採用のやり方。

出典

  1. 会社概要(新しいタブで開きます) アビームコンサルティング公式サイト