概要
ディスカウントは、幅広い商品を安く売ることで客を集める業態です。物価の上昇で生活者の節約の意識が強まるなか、ディスカウントストアは売上を伸ばし、総合スーパーやスーパーマーケットを買収して規模を広げる企業も出てきました。安さを支えるのは、大量の仕入れと、店の運営の手間を減らす仕組みです。いま、店舗のデジタル化や会員のデータを使った広告(リテールメディア)で、安さと収益を両立させる動きが広がっています。
含むもの
- 総合ディスカウントストア
- 食品を中心とするディスカウントストア
含まないもの
- 100円ショップなど均一価格の店舗(「生活雑貨・100円ショップ」で扱う)
- ドラッグストア(流通・小売の業界「ドラッグストア」で扱う)
構造と主要企業
-
01
総合ディスカウントストア
食品から日用品・家電・衣料品まで幅広く扱い、品ぞろえの多さと安さで客を集める。
-
02
食品中心のディスカウントとリテールAI
食品を中心に安く売り、店舗のデジタル化(カメラ・カート・データ)で運営の手間を減らす。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
-
01節約を意識する生活者
「安さ」の理由を信頼につなげる
背景
物価の上昇で、安さを求めてディスカウントストアを使う人が増えている。
想定される課題
安さの理由が見えないと、品質や産地への不安につながる。
視点
大量の仕入れや運営の効率化など、安さの仕組みを分かりやすく説明し、品質の管理の取り組みも合わせて伝える。
-
02食品・日用品のメーカー
売り場を広告の媒体として使ってもらう
背景
ディスカウントの大手は、店内のサイネージや買い物カート・アプリを使った広告の事業を始めている。
想定される課題
メーカーにとって、店ごとに効果の測り方が違うと、広告の予算を出しにくい。
視点
複数の小売を横断した効果の指標をそろえ、メーカーが出稿しやすい仕組みとして示す。
-
03投資家
買収した店舗の立て直しを示す
背景
ディスカウントの大手が総合スーパーなどを買収し、自社の業態への転換を進めている。
想定される課題
転換の費用と効果が見えないと、買収の判断が評価されにくい。
視点
転換した店舗の売上・利益の変化を、店舗の数と時期とともに示す。
-
04訪日外国人
観光の目的地としての店づくり
背景
一部のディスカウントストアは、品ぞろえの多さと遅くまでの営業で訪日客に人気がある。
想定される課題
混雑や国内の客の不満を招くと、地域での評判を損なう。
視点
多言語の案内や免税の手続きの効率化とともに、国内の客の買い物のしやすさも守る取り組みを示す。
競合・提携・出資の関係
この市場セグメントの用語
- EDLP
- Every Day Low Priceの略。特売に頼らず、毎日同じ安い価格で売る価格の戦略。
- リテールAI
- カメラやセンサー、購買データを使い、店舗の運営や販売の促進をAIで効率化する取り組み。
- 業態転換
- 買収した店舗などを、自社の得意な店の形(業態)につくり替えること。
- リテールメディア
- 小売が自らの売り場や会員データを使って提供する広告の媒体。