概要

清涼飲料は、お茶やコーヒー、水、炭酸飲料、スポーツドリンクなどをつくる市場セグメントです。酒類のグループに属するメーカー、飲料を専業とするメーカー、世界的なブランドのもとで製造・販売するボトラー、製薬系のメーカーが競い合っています。日本では自動販売機が大きな販売の経路で、その台数の多さが特徴ですが、コンビニやスーパーへの移行が進んでいます。原料・容器・物流の費用が上がり、値上げと、自動販売機の運営の効率化が各社の課題になっています。

含むもの

  • 茶・コーヒー・水・炭酸飲料
  • スポーツドリンクなどの機能性飲料
  • 自動販売機の運営

含まないもの

  • ビール・ワイン・蒸留酒などの酒類(酒類で扱う)
  • 乳製品(加工食品で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    酒類のグループの飲料事業

    ビールなどの酒類を持つグループが、清涼飲料の事業を持つ。グループで原料の調達や物流を組み合わせる。

    サントリービバレッジ&フード、サントリーホールディングス、アサヒグループホールディングス、キリンホールディングス

  2. 02

    飲料の専業・ボトラー

    茶系の飲料に強い専業のメーカーや、世界的なブランドの製品を地域で製造・販売するボトラー。

    伊藤園、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス

  3. 03

    製薬系の機能性飲料

    製薬の知見を生かし、スポーツドリンクなどの機能性飲料を展開する。

    大塚ホールディングス

上位の数社が市場の多くを占め、自動販売機の設置場所の確保も競争の一部です。物流の費用の上昇を受けて、競合の間でも輸送を共同で行う例が出ています。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01生活者

    値上げの中で、定番として選ばれる

    背景

    容器や原料の費用の上昇で値上げが続き、PBや大容量の商品との価格の差が開いている。

    想定される課題

    定番の商品でも、安い選択肢に移られやすい。

    視点

    味や品質の一貫性と、ブランドの物語を伝え続ける。新しい飲み方や場面を提案する。

  2. 02自動販売機の設置先(オフィス・施設のオーナー)

    自販機の価値を問い直す

    背景

    自動販売機の台数は減る傾向にあり、運営の費用は上がっている。

    想定される課題

    設置先にとっての利点が、商品の品ぞろえ以外に見えにくい。

    視点

    災害時の飲料の提供や、決済・データを使った新しいサービスなど、設置先にとっての価値を示す。

  3. 03社会

    容器と環境への責任

    背景

    ペットボトルの回収とリサイクル、温室効果ガスの削減が、飲料メーカーに強く求められている。

    想定される課題

    取り組みが見えないと、使い捨ての容器を大量に売る企業と受け取られる。

    視点

    ボトルからボトルへのリサイクルの率や、削減の実績を数字で示す。回収に参加しやすい仕組みを生活者に伝える。

  4. 04投資家

    国内の採算をどう改善するか

    背景

    国内の清涼飲料の市場は成熟し、費用の上昇で利益率が下がりやすい。

    想定される課題

    値上げの効果と、販売量の減少の見通しが不透明だと、評価が上がりにくい。

    視点

    価格・商品構成・物流の効率化による採算の改善を、項目ごとに分けて示す。

競合・提携・出資の関係

この市場セグメントの用語

ボトラー
飲料のブランドを持つ会社から原液などを受け取り、地域で製造・販売を担う会社。
自販機チャネル
自動販売機を通じた販売の経路。定価に近い価格で売れる一方、運営の費用がかかる。
ボトルtoボトル
使用済みのペットボトルを、再びペットボトルに再生するリサイクル。
機能性飲料
水分の補給や健康への機能を打ち出した飲料。

出典

  1. 株式の状況(新しいタブで開きます) サントリービバレッジ&フード公式サイト
  2. サッポログループと共同で長距離往復輸送の取り組みを開始(新しいタブで開きます) サントリーホールディングスプレスリリース公開日 2024.11.13
  3. アサヒとキリン「自粛ダメージ」の決定的な差 業務用ビールへの依存度でわかれた明暗(新しいタブで開きます) 東洋経済オンラインその他(二次情報)公開日 2020.06.17