概要
陸運・宅配は、全国に張りめぐらせた拠点とトラックのネットワークで、個人や企業に荷物を届ける市場セグメントです。宅配便はヤマト運輸・佐川急便・日本郵便の大手3社が大半を担い、企業間の貨物はセイノー・福山通運などが路線のネットワークで運んでいます。通販の拡大で荷物は増えた一方、運転手の労働時間の規制が強まった「2024年問題」で運べる量に制約がかかりました。各社は運賃の引き上げとあわせて、他社との共同輸送や、置き配などの受け取り方の見直しを進めています。
含むもの
- 宅配便・メール便
- 郵便
- 企業間の貨物を積み合わせて運ぶ特別積合せ(路線便)
- トラックによる貸切輸送
含まないもの
- 倉庫の運営や物流の一括受託(05 倉庫・物流サービスで扱う)
- 物流ロボット・倉庫の自動化設備(人手不足テーマの「物流の省人化」で扱う)
構造と主要企業
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01
宅配便の大手
全国の集配網で個人・企業の小口の荷物を運ぶ。通販事業者との取引条件が収益を大きく左右する。
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02
企業間の路線輸送
企業から出る貨物を各地の拠点で積み合わせ、幹線のトラックで運ぶ。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01通販事業者・荷主企業
値上げの理由が、納得されにくい
背景
運転手の労働時間の規制強化と人件費の上昇で、各社は運賃を引き上げている。一方で荷主も物価高で費用を抑えたい。
想定される課題
値上げが一方的な通知と受け取られると、取引の縮小やほかの会社への切り替えを招く。運ぶ力が足りないという事情が伝わらない。
視点
運賃の内訳と、運転手の働き方の改善との関係を開示する。荷物の大きさや出荷のタイミングを調整した荷主の費用が下がる仕組みなど、共に効率を上げる提案を添える。
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02荷物を受け取る生活者
「すぐ届く」が当たり前になっている
背景
通販の普及で、翌日配達や送料無料が当たり前と受け取られている。再配達は運転手の負担を大きくしている。
想定される課題
配達の仕組みの大変さが見えないため、受け取り方を変えてもらう呼びかけが届きにくい。
視点
置き配やロッカーなどの受け取り方を、生活者の得になる形で示す。再配達を減らすことが、配達を続けるための協力であることを伝える。
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03同業他社・協力会社
競争相手とどう組むかを、社内外に示す
背景
幹線の共同輸送や、一部の商品の配達を他社に任せる提携が増えている。
想定される課題
提携の意図が説明されないと、社員や協力会社には「事業の縮小」と受け取られ、顧客には品質の低下を心配される。
視点
提携で何を守り、何を強くするのかを一貫して語る。品質の基準や顧客への影響を、提携の発表と同時に示す。
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04採用候補者(運転手・現場の仕事)
運転手の仕事が選ばれない
背景
トラックの運転手は高齢化が進み、長時間労働のイメージから若い人の応募が少ない。
想定される課題
待遇や働き方を改善しても、古いイメージが先に立ち、知られないままになる。
視点
労働時間の短縮や、中継輸送で日帰りになった働き方など、変化を具体的な数字と人の声で伝える。
競合・提携・出資の関係
提携1件
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幹線輸送の共同運行[1]
日本郵便グループとセイノーグループは、互いの荷物を同じトラックに積み合わせて長距離の幹線輸送を共同で行うための業務提携について基本合意した。
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この市場セグメントの用語
- 2024年問題
- 2024年4月からトラック運転手の時間外労働に上限が設けられ、運べる量が減ると懸念された問題。
- 特別積合せ(路線便)
- 複数の荷主の貨物を拠点で積み合わせ、決まった路線で定期的に運ぶトラック輸送。
- 幹線輸送
- 拠点と拠点の間を大型トラックなどで結ぶ長距離の輸送。集荷・配達の区間と分けて呼ぶ。
- 共同輸送
- 複数の会社の荷物を同じトラックに積み合わせて運び、積載率を高める取り組み。