概要
海運は、世界の貿易の大部分を担う国際的な輸送の事業です。日本の大手3社は、コンテナ船事業を統合した共同出資会社ONEに移し、自社ではLNG船・自動車船・ばら積み船など、荷主と長期の契約を結ぶ事業に重心を置いています。運賃は世界の需給で大きく動き、業績が市況に左右されやすい構造です。いま、船の燃料をLNGやアンモニアなどに切り替える脱炭素の投資と、海上の物流の混乱への備えが、各社の大きなテーマになっています。
含むもの
- コンテナ船の運航
- 鉄鉱石・石炭などのばら積み船
- 原油・LNGの輸送船
- 自動車専用船
含まないもの
- 港湾の荷役・倉庫(05 倉庫・物流サービスで扱う)
- 造船(自動車・機械で扱う)
構造と主要企業
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01
大手海運会社
LNG船・自動車船・ばら積み船などを幅広く運航し、エネルギー会社や自動車メーカーと長期の輸送契約を結ぶ。
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02
コンテナ船の共同事業会社
大手3社がコンテナ船事業を統合して設立した会社。世界の定期航路を運航する。
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03
専業・中堅の海運会社
ケミカル船・ガス船など特定の船の種類に強みを持ち、不動産など別の事業と組み合わせる会社もある。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01投資家
市況頼みの会社に見られる
背景
コンテナ船の運賃は世界の需給や物流の混乱で大きく上下し、ONEからの利益が各社の業績を大きく動かしてきた。
想定される課題
業績の振れが大きいと、長期契約の事業や脱炭素への投資が評価に反映されにくい。株価が市況の予想だけで動く。
視点
市況に連動する利益と、長期契約で安定する利益を分けて示す。船隊の構成と契約の期間を開示し、収益の土台を見える形にする。
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02荷主(エネルギー会社・自動車メーカー・資源会社)
脱炭素の輸送を、誰とどう進めるか
背景
荷主も輸送の排出(スコープ3)を減らす必要があり、LNGやアンモニアを燃料とする船への切り替えには大きな投資と長い期間がかかる。
想定される課題
新しい燃料の船は費用が高く、荷主と負担を分ける仕組みがないと投資が進まない。技術の選択肢が多く、判断が先送りされやすい。
視点
燃料ごとの見通しと、排出の削減量を荷主の開示に使える形で示す。長期契約の中で費用と成果を分け合う仕組みを提案する。
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03社会
見えない輸送が、暮らしを支えていることが知られていない
背景
日本の輸出入の大部分は船で運ばれているが、生活者が海運を目にする機会はほとんどない。
想定される課題
社会の基盤を支える役割が知られず、企業の名前も事業も想起されにくい。採用や地域との関係づくりで不利になる。
視点
エネルギーや食料が船で届くまでの流れを、身近な製品に結びつけて伝える。船上の仕事や技術を、映像などで具体的に見せる。
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04採用候補者(船員・陸上職)
海の仕事の担い手が減っている
背景
日本人の船員は長く減り続けており、外国人の船員が運航の多くを支えている。
想定される課題
長期の乗船や家族と離れる働き方が敬遠され、若い人の選択肢に入りにくい。
視点
自動運航などの技術で変わる船上の仕事と、陸上の職とを行き来するキャリアを示す。
競合・提携・出資の関係
この市場セグメントの用語
- ONE
- Ocean Network Express。日本郵船・商船三井・川崎汽船がコンテナ船事業を統合して設立した共同出資会社。
- ばら積み船
- 鉄鉱石・石炭・穀物などを、梱包せずにそのまま船倉に積んで運ぶ船。
- 長期契約
- 荷主と数年から十数年にわたって輸送を約束する契約。LNG船などで多く、収益が安定しやすい。
- 代替燃料船
- 重油の代わりにLNG・アンモニア・メタノールなどを燃料にする船。海運の脱炭素の中心的な手段。