概要
ガスは、海外から運んだ液化天然ガス(LNG)を都市ガスやLPガスにして届ける市場セグメントです。都市ガスは、東京ガス・大阪ガス・東邦ガスの大手3社が大都市圏の需要の多くを担い、LNGの受け入れ基地から導管で家庭や工場に供給しています。2017年の都市ガスの小売りの全面自由化で電力会社などが参入した一方、ガス会社も電気の販売に進出し、エネルギーのセット販売で顧客を奪い合う構図になりました。いま、天然ガスは石炭より排出の少ない「移行期の燃料」として需要が見込まれる一方、将来の脱炭素に向けて、合成メタン(e-メタン)や水素への転換の道筋を示すことが求められています。
含むもの
- 都市ガス会社(LNGの調達・導管による供給・小売り)
- LPガスの卸・小売り
- LNGの調達・トレーディング
含まないもの
- 天然ガスの資源開発(石油・資源で扱う)
- 電気の販売(電力で扱う)
構造と主要企業
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01
都市ガス会社
LNGを受け入れて都市ガスにし、導管で地域の家庭・企業に届ける。電気の販売や海外の事業にも広げている。
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02
LPガスの供給
ボンベやタンクで、導管のない地域の家庭や業務用にLPガスを届ける。
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03
LNGの調達
大量のLNGを長期の契約や市場で調達し、発電や国内外の販売に回す。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01家庭の利用者
ガス会社の電気の価値が、価格しか伝わらない
背景
ガス会社は、電気とのセット販売や住まいのサービスで顧客を広げている。
想定される課題
料金の安さ以外の価値が伝わらず、比較サイトでの価格の競争に陥りやすい。
視点
機器の保守や暮らしのサービスなど、ガス会社ならではの接点を含めた価値を示す。
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02投資家
化石燃料の会社としての将来像
背景
天然ガスは移行期の燃料とされる一方、脱炭素の目標の下で長期の需要には不確かさがある。
想定される課題
ガス事業の将来が見えにくく、脱炭素への移行の計画が「先送り」と受け取られやすい。
視点
e-メタンや水素、再エネの事業への投資の規模と時期を示し、いまの導管を生かす移行の道筋を説明する。
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03工場など産業の需要家
燃料の転換をどう支えるか
背景
石炭・重油から天然ガスへの燃料の転換は、排出をすぐに減らせる手段として産業の需要家に選ばれてきた。
想定される課題
将来さらに転換が必要になるなら、いま設備を替える判断がしにくい。
視点
天然ガスへの転換から、将来のe-メタン・水素への切り替えまでの段階的な計画を、需要家と一緒に描く。
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04供給地域の住民
保安と災害時の供給
背景
ガスの導管は、地震などの災害時に安全の確保と供給の再開が問われるインフラである。
想定される課題
日常では保安の取り組みが見えにくく、災害時の対応で信頼が左右される。
視点
保安の体制と災害時の復旧の手順を、平時から分かりやすく公開する。
競合・提携・出資の関係
この市場セグメントの用語
- LNG(液化天然ガス)
- 天然ガスを冷やして液体にしたもの。体積が小さくなり、船で大量に運べる。
- 都市ガス・LPガス
- 都市ガスは天然ガスを主成分に導管で届けるガス、LPガスはプロパンなどをボンベやタンクで届けるガス。
- e-メタン(合成メタン)
- 水素とCO2からつくるメタン。いまの都市ガスの導管や機器をそのまま使える。
- メタネーション
- 水素とCO2を反応させてメタンをつくる技術。
- 導管
- 都市ガスを家庭や工場に届けるためのガス管の網。