概要

中食・給食は、弁当や総菜などの調理済みの食事を家庭や職場に届ける中食と、病院・介護施設・学校・社員食堂などで食事を提供する給食からなる市場セグメントです。外食のように客席で料理を出すのではなく、持ち帰りや配達、施設の食堂といった形で毎日の食事を支えます。

中食では、コンビニやスーパーに向けて弁当・総菜をつくる専門の工場と、持ち帰り弁当や総菜の店舗のチェーンが大きな役割を持っています。単身や共働きの世帯が増え、家で調理する手間を減らしたい需要が広がる一方、原材料や人件費の上昇、売れ残りによる食品ロスの削減が課題です。

給食は、病院や企業、学校などから食堂の運営を受託する事業です。多くの人に継続して食事を提供する施設には、健康増進法にもとづく栄養の管理が求められ、管理栄養士などの専門職が欠かせません。調理の人手不足が深刻になるなかで、セントラルキッチンでのまとめた調理や献立の標準化など、安定して食事を届け続ける仕組みづくりが問われています。

含むもの

  • 弁当・総菜を工場でつくり、コンビニやスーパーに届ける事業
  • 持ち帰り弁当・総菜・持ち帰りずしの店舗
  • 病院・介護施設・学校・社員食堂などの給食の受託
  • 弁当・総菜・食事の宅配

含まないもの

構造と主要企業

  1. 01

    コンビニ・スーパー向けの弁当・総菜の製造

    コンビニやスーパーの商品として、弁当・おにぎり・サンドイッチ・総菜を工場でつくり、毎日届ける。小売との共同の商品開発も多い。

    サンデリカ、カネ美食品、ピースデリ

  2. 02

    持ち帰り弁当・総菜の店舗

    持ち帰り弁当や総菜、持ち帰りずしの店舗を直営やフランチャイズで展開し、店で調理した食事を手軽な価格で提供する。

    プレナス、オリジン東秀、ハークスレイホールディングス、ロック・フィールド、京樽、KOZOホールディングス

  3. 03

    病院・施設・企業の給食の受託

    病院・介護施設・学校・社員食堂などの食堂の運営を受託し、利用者に合わせた献立と栄養の管理を担う。

    日清医療食品、シダックス、グリーンハウス、コンパスグループ・ジャパン、富士産業

  4. 04

    食事の宅配

    宅配ずしや健康に配慮した食事などを、注文に応じて家庭に届ける。

    ライドオンエクスプレスホールディングス、ファンデリー

中食は、コンビニやスーパーの商品として弁当・総菜をつくる製造の企業と、自ら店舗を持って販売する企業に分かれる。給食は、病院や企業などの施設から食堂の運営を受託する事業で、契約の継続と人員の確保が収益の土台になる。いずれも、毎日の大量の調理を品質と衛生を保ちながら効率よく行う力が競争力を左右する。

そのほかの企業

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01生活者

    毎日の食事として選ばれる

    背景

    単身や共働きの世帯が増え、弁当・総菜を日常の食事として利用する人が増えている。

    想定される課題

    手軽さだけで選ばれると価格の比較に巻き込まれやすい。栄養の偏りへの不安も持たれやすい。

    視点

    素材や調理へのこだわり、栄養のバランスを具体的に示し、毎日食べても安心できる理由を伝える。

  2. 02小売・施設の運営者

    安定して届け続ける力

    背景

    コンビニやスーパー、病院や企業は、毎日欠かさず食事を届けられる委託先を求めている。

    想定される課題

    人手不足や原材料の高騰のなかで、品質と価格を保てるかが不安視される。

    視点

    生産の体制、衛生の管理、献立の提案力を示し、委託先として任せられる理由を具体的に伝える。

  3. 03病院・介護施設の利用者と家族

    食事を通じて健康を支える

    背景

    病院や介護施設の食事は、治療や健康の維持の一部として栄養の管理が求められる。

    想定される課題

    施設の食事は味気ないと見られがちで、工夫が利用者や家族に伝わりにくい。

    視点

    管理栄養士による献立、食べやすさへの工夫、季節の行事食などの取り組みを伝える。

  4. 04調理スタッフ・採用候補者

    食を支える専門職として働く

    背景

    調理や配膳の現場で人手不足が深刻になっている。

    想定される課題

    早朝の勤務などの負担の印象が強く、採用と定着が難しい。

    視点

    セントラルキッチンなどによる負担の軽減や、管理栄養士・調理師として専門性を高められる道筋を示す。

  5. 05社会

    食品ロスを減らす

    背景

    弁当や総菜は消費期限が短く、売れ残りが廃棄されやすい。

    想定される課題

    廃棄の多さが、環境への負荷として批判されやすい。

    視点

    需要の予測、生産量の調整、売り切りの工夫など、食品ロスを減らす取り組みを具体的に示す。

競合・提携・出資の関係

出典で裏付けられた関係は、まだ登録されていません。

この市場セグメントの用語

中食
家庭の外で調理された弁当や総菜を、持ち帰りや配達で家庭や職場で食べる食事の形。外食と内食(家庭での調理)の中間にあたる。
コントラクトフードサービス
企業や病院、学校などから食堂の運営を受託する給食の事業。
特定給食施設
特定かつ多数の人に継続して食事を提供する施設。健康増進法にもとづく届出と栄養の管理が求められる。
セントラルキッチン
複数の店舗や施設の料理をまとめて調理・加工する集中調理の拠点。
消費期限
安全に食べられる期限。弁当や総菜など傷みやすい食品に表示される。

出典

  1. 特定給食施設における栄養管理に関する指導・支援等について(健健発0331第2号)(新しいタブで開きます) 厚生労働省健康局健康課その他公開日 2020.03.31