概要

SNS・動画プラットフォームは、利用者が文章や写真、動画を投稿し、ほかの利用者と交流する場を運営する市場セグメントです。投稿するのも見るのも利用者自身で、運営会社は場の仕組みとおすすめの表示を整え、集まった利用者への広告や、ライブ配信での投げ銭・有料会員などで収益を得ます。利用者が多いほど投稿も増えて場の魅力が高まるため、大手のプラットフォームに利用が集まりやすい特徴があります。

世界では、米国のMetaやAlphabet(YouTube)、中国発のTikTokなどが大きな利用者基盤を持ち、短い動画の視聴とおすすめの仕組みをめぐって競っています。一方で、友人どうしだけで写真を共有するアプリや、ゲーム・趣味のコミュニティ向けのチャット、ライブ配信の専業アプリなど、目的や世代を絞ったサービスも生まれています。日本では、LINEのようなメッセージアプリと、海外のSNS・動画サービスが併せて使われています。

いま、各国で、誤った情報や有害な投稿への対応、青少年の利用の制限、利用者データの扱いなどの規制が強まっています。また、生成AIでつくった画像や動画の増加で、投稿の真偽や著作権をどう扱うかも課題になっています。各社は、広告の売上を伸ばしながら、安全な場であることをどう示すかを問われています。

含むもの

  • 文章・写真・短い動画を投稿して交流するSNS
  • 動画共有サイトとライブ配信アプリ
  • コミュニティ向けのチャット・メッセージのサービス
  • 仕事のつながりや趣味などの分野に特化したSNS

含まないもの

構造と主要企業

  1. 01

    世界のSNSプラットフォーム

    世界で大きな利用者基盤を持ち、投稿とおすすめの表示を組み合わせて広告で稼ぐ。写真・短い動画・仕事のつながりなど、それぞれ得意な使われ方を持つ。

    Meta、バイトダンス、X、Snap、ピンタレスト、LinkedIn

  2. 02

    動画共有・ライブ配信

    利用者が動画を投稿・生配信し、視聴者が見て応援する場を運営する。広告に加えて、投げ銭や有料会員の手数料が収益の柱になる。

    Alphabet(Google)、BIGO、17LIVE、モイ

  3. 03

    コミュニティ・新しい形のSNS

    ゲームや趣味の仲間との会話、親しい友人だけでの写真の共有など、目的を絞った交流の場を提供する。

    Discord、Telegram、BeReal、Lapse、Clubhouse

  4. 04

    アジアのメッセージ・SNS

    メッセージアプリやSNSを入口に、ニュース・決済・ECなど多くのサービスを一つのアプリにつなげる。

    LINEヤフー、騰訊控股(テンセント)、微博(Weibo)

SNS・動画プラットフォームは、投稿する利用者・見る利用者・広告主の三者を一つの場に集める仕組みである。利用者の数と滞在時間が広告の価値を決めるため、おすすめの表示の精度と、配信者を引きつける収益の分配が競争力を左右する。同時に、投稿の安全性への対応の費用と規制の強まりが、どの社にも共通する経営の論点となる。

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01利用者

    安心して投稿し、見られる場であることを示す

    背景

    誹謗中傷や誤った情報、なりすまし、生成AIでつくった偽の画像・動画などへの不安が高まっている。

    想定される課題

    運営会社の対策が見えないと、プラットフォームそのものへの不信につながり、利用の減少や規制の強化を招く。

    視点

    投稿の削除やアカウントの停止の基準と実績、利用者が使える通報や表示の調整の機能を、分かりやすく継続して公開する。

  2. 02広告主・広告会社

    ブランドが安全に広告を出せることを伝える

    背景

    広告主は、自社の広告が不適切な投稿の隣に表示されることを強く警戒している。

    想定される課題

    広告の効果が高くても、ブランドを傷つけるおそれがあると、広告の予算が他の媒体に移りやすい。

    視点

    広告の表示先を管理する仕組みや第三者による検証を示し、効果と安全性を併せて説明する。

  3. 03配信者・クリエイター

    この場で活動を続ける理由をつくる

    背景

    配信者は、複数のプラットフォームを使い分け、収益や視聴者の伸びやすさで活動の場を選んでいる。

    想定される課題

    収益の分配やおすすめの仕組みの変更が説明なく行われると、配信者の不満が広がり、他の場へ移る。

    視点

    収益の分配の条件と仕組みの変更を事前に説明し、配信者が活動を続けられる支援の内容を具体的に示す。

  4. 04保護者・教育関係者・規制当局

    青少年の利用への責任を果たす

    背景

    各国で、子どもや若者のSNSの利用を制限する法規制や、年齢の確認を求める動きが広がっている。

    想定される課題

    対応が後手に回ると、社会から責任を果たしていないと見られ、厳しい規制の対象になりやすい。

    視点

    年齢に応じた機能の制限や保護者向けの管理機能、研究機関との協力を、利用の実態とあわせて説明する。

  5. 05投資家

    利用者の伸びを収益にどうつなげるか

    背景

    利用者の伸びが落ち着く地域では、一人あたりの広告収入や新しい課金で成長を続ける必要がある。

    想定される課題

    AIへの投資や安全対策の費用が増えるなか、利益の見通しが伝わりにくい。

    視点

    利用者の数と滞在時間、広告の単価、新しい収益の柱を分けて示し、投資の回収の道筋を説明する。

競合・提携・出資の関係

  • 競合1件
    • Meta⇄Alphabet(Google)

      デジタル広告で競合[3]

      Metaは年次報告書でGoogleを、自社と競合する製品を自社プラットフォームに組み込み広告収益を奪いうる競合として挙げている。

  • 出資1件

この市場セグメントの用語

UGC(ユーザー生成コンテンツ)
企業ではなく利用者が作成して投稿する文章・写真・動画などのコンテンツ。
レコメンド(おすすめ表示)
利用者の閲覧の履歴などから、興味を持ちそうな投稿や動画を選んで表示する仕組み。
ショート動画
縦長の画面で見る、数十秒程度の短い動画の形式。
投げ銭
ライブ配信の視聴者が、配信者に有料のアイテムなどを贈って応援する仕組み。
コンテンツモデレーション
規約に反する投稿を見つけて、削除や表示の制限などを行う運営の取り組み。

出典

  1. Metaについて(新しいタブで開きます) Meta公式サイト
  2. ByteDance(新しいタブで開きます) ByteDance公式サイト
  3. Meta Platforms, Inc. Form 10-K for fiscal year ended December 31, 2025(新しいタブで開きます) Meta Platforms, Inc. (SEC EDGAR)有価証券報告書公開日 2026.01.29
  4. Earnings Investor Briefing for Q1 FY2026 SoftBank Vision Funds(新しいタブで開きます) ソフトバンクグループ株式会社決算説明資料公開日 2026.08.06