概要

菓子・パンは、ビスケットやスナック、チョコレート、キャンディ、米菓、アイスクリームなどの菓子と、食パン・菓子パンをつくる市場セグメントです。長く売れ続けるブランドが多く、子どもの頃から親しまれてきた商品が世代を超えて買われ続けることが、この分野の強みになっています。

菓子は品目ごとに得意な企業が分かれ、新商品や期間限定の味を次々に出して売り場の棚を確保します。パンは毎日つくって店に届ける日配品で、工場と配送の拠点をどれだけ密に持つかが競争力を左右します。カカオや小麦、砂糖、油脂などの原料の価格の変動を受けやすく、価格の改定や内容量の見直しが続いています。

国内では人口が減るなかで、健康に配慮した商品、大人に向けた高価格の商品、訪日客や海外での販売が成長の機会になっています。ブランドの世界観を保ちながら、話題づくりと継続的な購入をどう両立させるかが問われています。

含むもの

  • ビスケット・スナック・米菓・キャンディ・グミなどの菓子
  • チョコレート・アイスクリーム
  • 食パン・菓子パンなどの製パン
  • 和菓子・洋菓子の製造と、自社の店舗での販売

含まないもの

  • チョコレート用の油脂・業務用のチョコレートなどの原料(食品原料で扱う)
  • 牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品(乳製品で扱う)
  • 菓子やパンを店内で提供する喫茶店・専門店のチェーン(外食で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    チョコレート・菓子の総合

    チョコレートやビスケット、ガム、キャンディなど複数の品目に強いブランドを持ち、海外でも販売する。

    明治ホールディングス、江崎グリコ、森永製菓、ロッテ、不二家、ネスレ日本

  2. 02

    スナック・米菓・キャンディ

    ポテトチップス、せんべい・あられ、ビスケット、飴・グミなど、特定の品目で高いシェアを持つ専業のメーカー。

    カルビー、湖池屋、亀田製菓、ブルボン、カンロ、UHA味覚糖、ヤマザキビスケット、東ハト

  3. 03

    アイスクリーム

    高価格のカップアイスから氷菓まで、季節によって需要が大きく変わる商品をつくる。

    ハーゲンダッツジャパン、赤城乳業、井村屋グループ

  4. 04

    製パン

    食パン・菓子パンを毎日つくって店に届ける。全国に工場と配送網を持つ大手と、地域を地盤にする企業に分かれる。

    山崎製パン、敷島製パン、フジパングループ本社、日糧製パン、第一屋製パン

菓子は、品目ごとに強いブランドを持つ企業が分かれ、複数の品目を持つ総合の大手と、特定の品目の専業が並び立つ。パンは毎日の製造と配送が必要で、全国に工場と配送網を持つ大手と地域の企業に分かれる。洋菓子・和菓子では、自社の店舗で売る企業も多い。

そのほかの企業

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01生活者

    値上げの後も手に取ってもらう

    背景

    原料の価格の上昇で、価格の改定や内容量の見直しが続いている。

    想定される課題

    内容量を減らすと実質的な値上げと受け取られ、ブランドへの不満につながりやすい。

    視点

    価格を見直す理由を誠実に説明しつつ、味や品質、食べる楽しさの価値を新しい提案とともに伝える。

  2. 02小売のバイヤー

    定番と新商品で売り場を守る

    背景

    菓子の売り場では新商品の入れ替えが早く、小売のプライベートブランドも広がっている。

    想定される課題

    定番の商品の価値が埋もれ、新商品も短い期間で棚から外されやすい。

    視点

    季節や話題に合わせた売り場づくりを提案し、定番と新商品の組み合わせで売り場全体の売上が伸びることを示す。

  3. 03保護者・社会

    子どもの健康と食べる楽しさ

    背景

    糖分や脂質のとりすぎへの関心が高まり、子どもに向けた広告にも配慮が求められている。

    想定される課題

    菓子が健康に良くないものとして一括りにされやすい。

    視点

    栄養に配慮した商品や食べる量の目安、食育の活動を通じて、菓子と上手に付き合う楽しみ方を伝える。

  4. 04投資家

    定番ブランドで海外を伸ばす

    背景

    国内の市場は人口の減少で量が伸びにくく、海外と訪日客の需要が成長の機会になっている。

    想定される課題

    海外の事業の採算や、どのブランドで伸ばすのかが見えにくい。

    視点

    地域ごとの売上と利益、主力ブランドの展開の計画、原料の価格の変動への対応を具体的に示す。

  5. 05原料の産地・調達先

    持続可能な原料の調達

    背景

    カカオなどの原料では、産地の児童労働や森林の減少が国際的な課題になっている。

    想定される課題

    調達の取り組みが見えないと、ブランドへの信頼を損なうおそれがある。

    視点

    産地の農家の支援や、認証を受けた原料の調達の取り組みを、具体的な活動とともに開示する。

競合・提携・出資の関係

  • 提携1件
    • 山崎製パン⇄日糧製パン

      業務資本提携[2]

      山崎製パンは2009年8月に日糧製パンと業務資本提携を結び、同社を持分法適用関連会社としている(議決権の所有割合30%)。

  • 出資1件
    • ペプシコ→カルビー

      出資[1]

      ペプシコの100%子会社Frito-Lay Global Investments B.V.が、カルビーの発行済株式の22.01%(2026年3月末)を保有する筆頭株主である。

この市場セグメントの用語

日配品
パンや牛乳、豆腐など、毎日製造して店に届ける日持ちの短い食品。
内容量の見直し
価格を据え置いたまま量を減らすこと。実質的な値上げと受け取られることがあり、シュリンクフレーションとも呼ばれる。
期間限定商品
季節やイベントに合わせて一定の期間だけ売る商品。話題づくりと売り場の確保に使われる。
サステナブルカカオ
産地の農家の生活や環境に配慮して生産・調達されたカカオ。
NB・PB
メーカーのブランドの商品(ナショナルブランド)と、小売が独自に企画する商品(プライベートブランド)。

出典

  1. 株式基本情報(大株主の状況)(新しいタブで開きます) カルビー株式会社公式サイト
  2. 有価証券報告書-第78期(2025年1月1日~2025年12月31日)(新しいタブで開きます) 山崎製パン株式会社有価証券報告書公開日 2026.03.24