概要

保育・子育て支援は、働く親に代わって子どもを預かり、成長を支えるサービスです。中心となる認可保育所は国や自治体の制度にもとづいて運営され、保育料や運営費の多くが公費でまかなわれます。企業が認可保育所を運営する形は、待機児童の解消を目的に保育所が急速に増えた時期に広がりました。

担い手には、認可保育所を各地で運営する会社、企業や病院から委託を受けて従業員向けの保育所を運営する会社、ベビーシッターや家事の支援を個人に提供する会社があります。学童保育や子どもの発達の支援など、小学生や支援が必要な子どもへとサービスを広げる会社もあります。

少子化で地域によっては定員に空きが出始め、保育所の数を増やす時代から、保育の質と選ばれる理由が問われる時代に移っています。こども誰でも通園制度など、親が働いているかどうかにかかわらず子どもを受け入れる制度も始まり、保育士の確保と育成とともに、各社の保育の内容をどう伝えるかが重要になっています。

含むもの

  • 認可保育所・認定こども園の運営
  • 事業所内保育所・院内保育所の運営の受託
  • 学童保育・児童館の運営
  • ベビーシッターの派遣・家事の支援
  • 保育士の派遣・紹介を通じた保育の現場の支援
  • 子どもの発達の支援教室・幼児の体育指導

含まないもの

  • 学習塾・通信教育などの教育サービス(教育で扱う)
  • 保育以外の分野も含む人材の派遣・紹介(人材サービスで扱う)
  • 介護・高齢者向けの福祉サービス(医薬・ヘルスケアの「介護サービス」で扱う)

構造と主要企業

  1. 01

    認可保育所を運営する大手

    認可保育所や学童保育を各地で運営し、自治体の公募に応じて施設を増やす。保育の内容の標準化と保育士の採用・研修の仕組みを強みにする。

    JPホールディングス、ライクキッズ、グローバルキッズCOMPANY、ポピンズエデュケア、こどもの森

  2. 02

    事業所内・院内保育の受託

    企業や病院から委託を受け、従業員向けの保育所を運営する。夜間や休日の保育など、勤務の形に合わせた預かりに対応する。

    アートチャイルドケア、タスク・フォース、ピジョンハーツ

  3. 03

    ベビーシッター・保育の人材

    家庭へのベビーシッターの派遣や家事の支援、保育士の派遣・紹介を通じて、保育所だけでは届かない子育ての負担を支える。

    ポピンズ、ウィッシュ、ライク

  4. 04

    発達の支援・幼児の運動

    子どもの発達の支援教室や、幼稚園・保育園での体育指導など、保育に専門のプログラムを加える。

    LITALICO、幼児活動研究会

保育の事業は、公費で運営される認可保育所と、企業・家庭から直接対価を受ける受託保育やベビーシッターに分かれる。認可保育所では制度の枠のなかで運営の効率と保育の質を両立させることが、受託やベビーシッターでは利用者の勤務や生活に合わせた柔軟さが競争力となる。どの形でも保育士の確保が事業の上限を決める。

そのほかの企業

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01保育所を探す保護者

    空きがあるから、ではなく保育の中身で選ばれる

    背景

    地域によっては保育所の定員に空きが出始め、保護者が保育所を比べて選べるようになっている。

    想定される課題

    立地や空き状況だけで選ばれると、保育の方針や日々の過ごし方の違いが伝わらない。

    視点

    一日の過ごし方や食事、行事、保護者との連絡の仕方を具体的に見せる。見学の機会を設け、保育の考え方を保育士の言葉で伝える。

  2. 02子どもを預ける保護者

    子どもの安全を、日々の取り組みで示す

    背景

    保育所での事故や不適切な保育が報じられ、保護者の関心が高まっている。

    想定される課題

    安全への取り組みが見えないと、一つの報道で業界全体への不安が広がる。

    視点

    睡眠中の確認や食物アレルギーへの対応、職員の研修など、安全のための日々の取り組みを具体的に公開する。問題が起きたときの説明の姿勢も示す。

  3. 03保育士・採用候補者

    保育士が長く働ける職場であることを伝える

    背景

    保育士は全国で不足しており、待遇や業務の負担を理由に離職する人も多い。

    想定される課題

    人が集まらないと、子どもを受け入れる定員を満たせず、保育の質も保てない。

    視点

    書類作業の削減や休暇の取りやすさ、研修とキャリアの仕組みを、働く保育士の声とともに伝える。

  4. 04自治体・委託元の企業や病院

    運営を任せられる相手として信頼を得る

    背景

    認可保育所は自治体の公募で運営者が選ばれ、事業所内保育所は企業や病院が委託先を選ぶ。

    想定される課題

    運営の実績や保育の質が示されないと、新しい施設の公募や委託の契約を得にくい。

    視点

    運営する施設での保護者の満足度や職員の定着、監査への対応などの実績を示し、地域や委託元の課題に合わせた提案を行う。

競合・提携・出資の関係

  • グループ2件
    • ポピンズ→ポピンズエデュケア

      完全子会社[2]

      ポピンズは保育所や学童施設を運営するポピンズエデュケアの議決権を100%所有し、連結子会社としている。

    • ポピンズ→ウィッシュ

      完全子会社[2]

      ポピンズは保育所や学童施設を運営するウィッシュの議決権を100%所有し、連結子会社としている。

この市場セグメントの用語

認可保育所
国の基準を満たし、都道府県などの認可を受けた保育所。運営費の多くが公費でまかなわれる。
事業所内保育所
企業や病院などが、主に従業員の子どもを預かるために設ける保育所。
待機児童
保育所への入所を申し込んでいるのに、定員の不足などで入所できない子ども。
こども誰でも通園制度
保護者が働いているかどうかにかかわらず、子どもを保育所などに預けられるようにする国の制度。
学童保育
保護者が働いている家庭の小学生を、放課後や長期の休みに預かるサービス。

出典

  1. 保育(新しいタブで開きます) こども家庭庁公式サイト
  2. 有価証券報告書 第10期(2025年1月1日~2025年12月31日)(新しいタブで開きます) 株式会社ポピンズ有価証券報告書公開日 2026.03.25