概要

法律・会計の専門サービスは、弁護士や公認会計士といった資格を持つ専門家が、企業の法務と会計を支える事業です。法律事務所は企業の合併・買収や資金調達、紛争、規制への対応について助言し、監査法人は企業の決算書が正しいかを独立した立場で確かめます。どちらも資格を持つ人だけが担える業務を中心とし、専門家の数と経験が事業の規模を決めます。

国内の企業法務は、多くの弁護士を抱える大手の法律事務所が大型の取引や紛争を担い、知的財産や事業再生などの分野に強い事務所や、個人向けの相談を広く受ける事務所が並んでいます。会計監査は、世界の会計事務所のネットワークに属する大手監査法人が上場企業の多くを担当し、準大手・中堅の監査法人が続きます。

公認会計士による監査は会社法や金融商品取引法で義務づけられており、監査の品質への信頼が市場の基盤になっています。サステナビリティ情報の開示やAIの活用、海外の規制への対応など、企業が向き合う課題が広がるなかで、専門家の確保と、新しい領域でどれだけ頼られるかが問われています。

含むもの

  • 企業の合併・買収や金融、紛争を扱う大手法律事務所
  • 知的財産や国際取引などに強い法律事務所
  • 債務整理や相続など個人向けの法律事務所
  • 上場企業などの会計監査を行う大手監査法人
  • 準大手・中堅の監査法人

含まないもの

構造と主要企業

  1. 01

    大手法律事務所

    多くの弁護士を抱え、企業の合併・買収や金融、国際取引、紛争などの大型の案件を担う。海外の拠点や外国法事務弁護士との共同事業で、国境をまたぐ案件にも対応する。

    西村あさひ法律事務所・外国法共同事業、森・濱田松本法律事務所、長島・大野・常松法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業、TMI総合法律事務所

  2. 02

    個人向けの法律事務所

    債務整理や離婚、相続など、個人の身近な法律の相談を全国の拠点で受ける。広告とわかりやすい料金で相談の入口を広げる。

    ベリーベスト法律事務所、アディーレ法律事務所

  3. 03

    大手監査法人

    世界の会計事務所のネットワークに属し、上場企業などの会計監査を担う。グループ内でコンサルティングや税務の会社と連携する。

    有限責任監査法人トーマツ、EY新日本有限責任監査法人、有限責任あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人

  4. 04

    準大手・中堅の監査法人

    中堅の上場企業や新しく上場をめざす企業などの会計監査を担う。

    太陽有限責任監査法人、仰星監査法人、東陽監査法人、三優監査法人

法律事務所と監査法人は、資格を持つ専門家が組織をつくり、専門家の時間と信頼を提供する事業である。法律事務所は企業から依頼を受ける助言者、監査法人は投資家のために企業を確かめる独立した第三者という立場の違いがある。大手監査法人はグループのコンサルティング会社と並び立つが、監査の独立性を守るため、監査先への助言には制約がかかる。

そのほかの企業

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01企業の経営者・法務部門

    難しい判断の場面で、最初に相談される

    背景

    企業は合併・買収や規制への対応、紛争など、専門の判断を要する場面に増えて向き合っている。

    想定される課題

    事務所の得意な分野や担当する専門家の経験が伝わらないと、名前の知られた事務所だけが比べられる。

    視点

    分野ごとの実績や専門家の知見を、論文やセミナー、事例の解説で継続して示す。依頼の前に相談しやすい窓口を示す。

  2. 02投資家・市場の関係者

    監査の品質への信頼を、言葉と実績で示す

    背景

    公認会計士による監査は会社法や金融商品取引法で義務づけられ、決算書の信頼性を支えている。

    想定される課題

    会計の不正や監査の不備が報じられると、監査法人と市場全体への信頼が揺らぐ。

    視点

    監査の品質を管理する体制や、監査の結果に至った判断の考え方を、監査品質に関する報告書などで開く。

  3. 03若手の専門家・採用候補者

    専門家として成長できる場として選ばれる

    背景

    弁護士や公認会計士をめざす人の進路は、事務所や監査法人に加えて、企業の中やコンサルティング会社へと広がっている。

    想定される課題

    長時間の労働や単調な作業の印象が強いと、優秀な人材が他の進路を選ぶ。

    視点

    担当できる案件の幅や海外での経験、働き方の改善、AIで減らした作業の例を具体的に伝える。

  4. 04個人・社会

    法律の相談を、身近なものにする

    背景

    借金や離婚、相続など、個人が法律の問題を抱えても専門家に相談しないまま放置されることがある。

    想定される課題

    費用や相談のしにくさの印象が強いと、問題が大きくなるまで相談されない。

    視点

    相談の流れと費用の目安を事前に示し、初めての人でも相談しやすい入口を用意する。

競合・提携・出資の関係

出典で裏付けられた関係は、まだ登録されていません。

この市場セグメントの用語

監査法人
公認会計士が共同で設立し、企業などの会計監査を組織として行う法人。
会計監査
独立した第三者が企業の決算書を調べ、正しく作られているかについて意見を表明すること。
外国法共同事業
日本の弁護士と外国法事務弁護士が共同で法律事務を行う事業の形。
企業法務
企業の取引や組織、紛争、規制への対応に関わる法律の業務。
監査の独立性
監査を行う人が、監査を受ける企業から影響を受けずに判断できる状態。

出典

  1. 日本の監査制度(新しいタブで開きます) 日本公認会計士協会公式サイト
  2. 公認会計士の使命と仕事(新しいタブで開きます) 日本公認会計士協会公式サイト