概要

容器・包装は、飲料・食品・日用品などの商品を包み、守り、運び、売り場で見せるための容器と包装材をつくる市場セグメントです。金属の缶、ペットボトル、段ボール、紙のカップ、フィルムの袋、ガラスのびんなど、素材ごとにつくる会社が分かれ、飲料・食品のメーカーや小売、ネット通販の会社が主な顧客になります。

日本では、東洋製罐グループのように缶やペットボトルなど複数の素材の容器を手がける会社や、製紙会社のグループで段ボールをつくる会社、印刷の技術を生かしてパッケージやフィルムを手がける印刷会社などが市場を支えています。容器の形や機能は、中身の品質を長く保つ技術と、生産の効率を左右するため、顧客のメーカーと一緒に開発されることが多くあります。

いま、プラスチックごみの削減と脱炭素の要請から、容器を軽くする、リサイクルした素材を使う、プラスチックを紙に置き換えるといった取り組みが急速に進んでいます。使い終わった容器を回収し、同じ容器に戻す水平リサイクルには、メーカー・小売・自治体・リサイクルの会社との連携が欠かせません。ネット通販の広がりによる段ボールの需要の変化や、原材料とエネルギーの価格の上昇への対応も課題になっています。

含むもの

  • 飲料缶・食品缶などの金属の容器と、ペットボトル
  • 段ボールと、紙製の箱・カップなどの紙の容器
  • 食品・日用品の包装に使うフィルム・パウチなどの軟包装
  • 飲料・食品・酒類のガラスびん

含まないもの

構造と主要企業

  1. 01

    金属缶・ペットボトル

    飲料・食品向けの缶やペットボトル、キャップなどをつくる。飲料メーカーの工場の近くに拠点を置き、中身を詰める作業を受託する会社もある。

    東洋製缶グループホールディングス、ホッカンホールディングス、アルテミラ・ホールディングス

  2. 02

    段ボール・紙の包装

    段ボールや紙製の箱・容器をつくる。原紙から箱までを一貫して手がける製紙系の会社が多い。

    レンゴー、トーモク、スマーフィット・ウエストロック、インターナショナル・ペーパー、グラフィック・パッケージング・インターナショナル、DSスミス

  3. 03

    ガラスびん

    飲料・食品・酒類向けのガラスびんをつくる。重さを減らしたびんや、回収して繰り返し使うびんにも取り組む。

    日本山村硝子、石塚硝子

  4. 04

    パッケージ・軟包装の印刷会社

    印刷やフィルムの加工の技術を生かし、食品・日用品のパッケージやフィルムの袋、紙の容器をつくる。

    TOPPANホールディングス、大日本印刷

容器・包装の会社は、素材ごとに分かれ、それぞれが素材のメーカーから材料を買い、容器や包装に加工して顧客のメーカーに納める。顧客の工場の生産のラインに合わせた品質と供給の安定が求められ、取引は長く続きやすい。リサイクルや素材の置き換えでは、素材をまたいだ提案ができるかが競争力を左右し始めている。

そのほかの企業

コミュニケーションの課題と視点

この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。

  1. 01飲料・食品・日用品のメーカー

    環境への対応を、商品の価値に変える提案

    背景

    顧客のメーカーは、プラスチックの削減やリサイクルした素材の利用など、包装の環境への対応を消費者や投資家から求められている。

    想定される課題

    環境に配慮した容器は費用が上がりやすく、品質や生産の効率への影響も心配され、採用が進みにくい。

    視点

    品質を保ったまま素材を減らした事例や、費用・CO2の削減の効果を具体的に示し、顧客の商品の訴求に使える形で提案する。

  2. 02生活者・自治体

    使い終わった容器のゆくえを伝える

    背景

    プラスチックごみへの関心が高まり、容器を正しく分別して資源に戻すことが求められている。

    想定される課題

    回収された容器がどう資源に戻るのかが見えないと、分別への協力が広がらない。

    視点

    容器の分別のしかたと、回収された容器が新しい容器に生まれ変わるまでの流れを、身近な商品の例で分かりやすく伝える。

  3. 03小売・リサイクルの会社

    回収から再生までを一緒に回す

    背景

    水平リサイクルには、店頭での回収、選別、再生、容器への加工までの各段階の協力が欠かせない。

    想定される課題

    各社の役割と費用の分担が曖昧なままだと、取り組みが一部の地域や試みにとどまる。

    視点

    回収の量や品質の基準、費用の分担を明確にした共同の取り組みとして進め、成果を参加する企業と共有する。

  4. 04投資家

    成熟した市場での収益の伸ばし方を示す

    背景

    国内の人口の減少で容器の数量は伸びにくく、原材料やエネルギーの価格も上がっている。

    想定される課題

    数量が伸びない市場の会社と見られると、成長への期待が持たれにくい。

    視点

    価格への転嫁の進み具合、環境に配慮した高付加価値の容器の比率、海外の事業の伸びを分けて説明する。

競合・提携・出資の関係

出典で裏付けられた関係は、まだ登録されていません。

この市場セグメントの用語

軟包装
フィルムやアルミ箔などを貼り合わせた、袋やパウチなどの柔らかい包装材。
プリフォーム
ペットボトルを成形する前の、試験管のような形をした樹脂の部材。
水平リサイクル
使用済みの製品を、同じ種類の製品の原料に戻して再び使うこと。
モノマテリアル
リサイクルしやすくするため、包装材を一種類の素材でつくること。
ライトウェイト化
強度を保ちながら容器を薄く軽くし、材料と輸送のエネルギーを減らすこと。

出典

  1. 東洋製罐グループホールディングス(新しいタブで開きます) 東洋製罐グループホールディングス株式会社公式サイト