概要
警備・セキュリティサービスは、オフィスビルや商業施設、工場、家庭などの安全を守るサービスです。施設に警備員を配置する常駐警備、センサーで異常を検知して警備員が駆けつける機械警備、現金などを運ぶ輸送警備、イベントや工事現場での雑踏・交通誘導警備など、警備業法で区分された業務を、警察の認定を受けた警備業者が担っています。
業界には、全国に拠点と監視の仕組みを持つ大手と、地域で施設警備や交通誘導を担う多数の中小の警備会社が併存しています。警察庁の統計では、警備業者の大半は警備員が100人未満の事業者です。センサー・通信と駆けつけの体制を全国に整える必要がある機械警備は事業者の数が少なく、1社あたりが受け持つ施設の数が増える傾向にあり、規模の大きい事業者が有利になりやすい領域と考えられます。
警備は人が支える仕事ですが、警備員の人手不足と高齢化が大きな課題になっています。各社は、警備ロボットやカメラ映像のAI分析、遠隔での監視などによる省力化を進めるとともに、高齢者の見守りや防災、情報セキュリティなど、安全に関わる周辺のサービスへと事業を広げています。
含むもの
- ビル・商業施設などの常駐警備・巡回警備
- センサーと通信で異常を検知して駆けつける機械警備
- 家庭向けのホームセキュリティ・高齢者の見守り
- 現金・貴重品の輸送警備
- イベントの雑踏警備・工事現場などの交通誘導警備
- 要人などの身辺警護
含まないもの
- 企業のネットワークや情報システムを守るサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティの「マネージドセキュリティ・コンサルティング」、サイバーセキュリティの「エンドポイント・ソフトウェア」で扱う)
- ビルの清掃・設備管理などの施設管理サービス(建設・不動産の「不動産サービス」で扱う)
- 警備会社が手がける介護サービス(医薬・ヘルスケアの「介護サービス」で扱う)
- 火災保険などの損害保険(金融の「保険」で扱う)
構造と主要企業
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01
全国規模の総合セキュリティ会社
機械警備・常駐警備・輸送警備・ホームセキュリティを全国で提供する。監視センターと駆けつけの拠点網を持ち、防災や見守りなど周辺のサービスにも事業を広げている。
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02
大口の顧客との関係を基盤にする警備会社
特定の大口の顧客や業界との長い取引を基盤に、施設の警備や機械警備、輸送警備を手がける。顧客の施設に合わせた警備の仕組みづくりを強みにする。
そのほかの企業
- アサヒセキュリティ 現金輸送車による貴重品の運搬や集配金業務、機械警備を手がける、セコムグループの警備会社。
- イオンディライト 商業施設やオフィスなどの清掃や設備管理、警備をまとめて請け負う会社。イオンの完全子会社。
- セノン オフィスビルや空港などの警備、機械による警備を手がける警備会社。2022年にセコムの子会社になった。
- テイケイ 施設警備や交通誘導警備、身辺警護などを手がける警備会社。人材派遣のグループ会社も持つ。
- トスネット 東日本を中心に、施設警備やイベント警備、交通誘導などの警備サービスを提供する会社。
- ニッタン 火災報知設備や消火設備、住宅用の火災警報器などを作って売る防災機器のメーカー。セコムの子会社。
- ホーチキ 火災報知設備や消火設備を作り、ビルや工場などへの取り付けと点検まで手がける防災機器会社。
- 全日警 鉄道会社の駅や列車まわりの警備を中心に、施設や催しの警備まで手がける警備会社。JR東海と業務提携している。
- 東洋テック 関西を地盤に、機械警備や常駐警備、ビルの管理などを手がけ、企業や施設の安全を守る警備サービスの会社。
- 日本ドライケミカル 消火器や消火設備、火災報知設備、消防車両の製造・点検を手がける会社。2026年9月に上場を廃止し、ALSOKの子会社になる。
- 能美防災 火災報知設備や消火設備を作り、ビルやトンネルなどに取り付けて点検まで手がける防災会社。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01家庭・高齢の家族を持つ世帯
「もしも」のときだけでなく、日々の安心として選ばれる
背景
ホームセキュリティは、防犯に加えて高齢者の見守りや緊急時の通報などにも役割が広がっている。センサー付きの家電や見守りのアプリなど、安価な代替手段も増えている。
想定される課題
警備会社のサービスは「高い」「大げさ」と受け取られやすい。何か起きたときに人が駆けつけるという価値が、使ってみるまで実感されにくい。
視点
駆けつけの体制や、実際に役立った場面を具体的に伝える。防犯・見守り・防災をまとめて任せられる安心として、家族の生活の変化に合わせた使い方を示す。
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02企業・施設の管理者
人手不足のなかでも警備の質を保つ
背景
警備員の人手不足によって、常駐警備の人員の確保や料金の上昇が課題になっている。警備会社はロボットやカメラ、遠隔監視を組み合わせた警備を提案している。
想定される課題
機械やシステムへの置き換えが、警備の質を下げることや、単なる値上げの言い換えと受け取られる場合がある。
視点
人と機械の役割分担によって、何がどう守られるのかを具体的に示す。導入の前後で変わった点や、緊急時の対応の体制をあわせて伝える。
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03警備員・採用候補者
社会を支える仕事として選ばれる
背景
警備業は人手不足が深刻で、警備員の高齢化も進んでいる。屋外での交通誘導など、体への負担が大きい業務もある。
想定される課題
警備の仕事が「誰でもできる」「きつい」と見られると、若い世代や女性の採用が進みにくい。資格や専門性、キャリアの道筋も知られていない。
視点
検定資格などの専門性や、技術の導入で変わる働き方、キャリアの広がりを具体的に伝える。安全を守る仕事の社会的な意味を、現場の声とともに示す。
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04投資家・株主
人に頼る事業から、仕組みで稼ぐ事業へ
背景
警備は人件費の割合が大きく、人手不足による賃金の上昇が利益を圧迫しやすい。各社は機械警備や周辺のサービスの拡大、料金の見直しを進めている。
想定される課題
人件費の上昇が続くと、事業の成長性が「人の数」に縛られていると見られやすい。新しい事業の位置づけも伝わりにくい。
視点
契約の件数や継続率、省力化による生産性の改善、料金の改定の進み具合を継続して示す。周辺のサービスが警備の顧客基盤とどうつながるのかを説明する。
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05地域社会・自治体
地域の安全と防災の担い手として認められる
背景
警備会社は、大規模なイベントの警備や災害時の対応、子どもや高齢者の見守りなど、地域の安全にも関わっている。
想定される課題
警備の仕事は事故や事件がないことが成果であり、日常の貢献が目に見えにくい。
視点
地域の防犯・防災の取り組みや、自治体との協定、大規模イベントでの役割を具体的に伝える。安全を支える社会のインフラとしての存在を示す。
競合・提携・出資の関係
出典で裏付けられた関係は、まだ登録されていません。
この市場セグメントの用語
- 機械警備
- 施設に設置したセンサーなどで異常を検知し、離れた場所の監視センターから警備員を向かわせる警備。
- 常駐警備
- 警備員が施設に常にいて、出入りの管理や巡回、監視を行う警備。
- 1号〜4号警備
- 警備業法による業務の区分。1号は施設、2号は雑踏・交通誘導、3号は現金などの輸送、4号は身辺の警備。
- 警備業の認定
- 警備業を営むために、都道府県の公安委員会から受ける認定。
- 交通誘導警備
- 工事現場や駐車場などで、通行する人や車両を安全に誘導する警備。