概要
二輪車は、通勤や買い物、配達などの日々の移動を担う実用の乗り物であり、趣味として楽しむ乗り物でもあります。この領域では、原付スクーターから大型のスポーツバイクまでのオートバイと、電動アシスト自転車などの二輪車をつくる事業を扱います。
世界の二輪車の需要の多くは、インドや東南アジア、中南米などの新興国にあります。日本の大手メーカーはこうした地域で現地生産と販売網を広げ、小型の実用車を大量に販売しています。一方、日本や欧米では、趣味としての中・大型車が中心になり、ブランドや走りの楽しさが重視されます。同じ「二輪車」でも、地域によって求められる商品と売り方が大きく異なることが特徴です。
いまは、排出ガスの規制の強化と電動化が大きな変化になっています。国内では、排出ガスなどの規制への対応が求められる原付一種の区分が見直され、2025年4月から、出力を抑えた125cc以下の二輪車も原付の免許で運転できるようになりました。電動化では、メーカー各社が交換式バッテリーの共通仕様に合意するなど、競合しながらも基盤づくりで協力する動きが見られます。電動アシスト自転車は日本のメーカーが世界に先駆けて発売したもので、海外のeバイクの市場にも広がっています。
含むもの
- 原付から大型までのオートバイ・スクーター
- 電動二輪車と交換式バッテリーの仕組み
- 電動アシスト自転車と、eバイク用の駆動ユニット
- 二輪車メーカーの部品・用品と販売網
構造と主要企業
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01
オートバイ・スクーターのメーカー
原付スクーターから大型のスポーツバイクまでを開発・生産し、国内外の販売網を通じて届ける。新興国では小型の実用車、先進国では趣味の中・大型車が中心になる。
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02
電動二輪車と交換式バッテリー
電動のスクーターやバイクと、ステーションで電池を交換して使う仕組みを開発する。電池の共通仕様やインフラづくりでは、メーカー同士が協力している。
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03
電動アシスト自転車・eバイクの駆動ユニット
ペダルをこぐ力をモーターで補助する自転車をつくるとともに、その駆動ユニットを海外の自転車メーカーに供給する。
そのほかの企業
- aidea 配達などの業務で使われる電動バイクを開発・製造する日本のメーカー。郵便や宅配の事業者などが使っている。
- Gogoro(ゴゴロ) 電動スクーターと、電池を交換できるステーションをあわせて提供する台湾の会社。都市の移動の電動化を進めている。
- KTM オーストリアのオートバイメーカー。オフロードやスポーツタイプのバイクを作り、世界に販売している。
- Terra Charge 電動の三輪車などを開発してきた会社で、現在は電気自動車の充電サービスを手がける。旧社名はテラモーターズ。
- TVSモーター インドの二輪車メーカーで、オートバイやスクーター、三輪車を作っている。ドイツのBMWとも提携している。
- エフ・シー・シー 二輪車や四輪車のクラッチを作る会社。静岡県浜松市に本社があり、世界各地に生産拠点を持つ。
- カワサキモータース オートバイや四輪バギーなどを作る会社。2021年に川崎重工業から分社した。スポーツバイクを得意とする。
- シマノ 自転車の変速機やブレーキなどの部品と、釣り用品をつくる会社。電動アシスト用の駆動ユニットも手がける。
- ドゥカティ 高性能なスポーツ型を中心とする、イタリアの高級オートバイメーカー。フォルクスワーゲン・グループの傘下。
- トライアンフ・モーターサイクルズ 英国の高級オートバイメーカー。クラシックなスタイルの大型バイクを中心に、世界で販売している。
- ハーレーダビッドソン 大型で排気量の大きい、高価格帯のオートバイを作る米国の二輪車メーカー。世界各国にファンがいる。
- バジャジ・オート インドの二輪車と三輪車のメーカーで、オートバイを多くの国へ輸出している。オーストリアのKTMとも関わりがある。
- ピアッジオ スクーター「ベスパ」などを作るイタリアの二輪車メーカー。商用の三輪車も手がける。
- ヒーロー・モトコープ インドの二輪車メーカーで、通勤向けのオートバイやスクーターを数多く販売している。電動化も進めている。
- ヤディア(YADEA) 中国の電動二輪車メーカーで、電動バイクや電動自転車を作り、世界各国へ販売している。日本でも販売を予定している。
- 五羊-本田摩托(広州) ホンダと広州の企業が出資する、中国の二輪車の生産・販売会社。広東省の増城に工場がある。
- 光陽工業(キムコ) 台湾の二輪車メーカーで、スクーターやオートバイ、電動スクーターを世界へ販売している。
- 江門市大長江集団 中国広東省の二輪車メーカー。豪爵ホールディングスの傘下で、オートバイを世界各国へ輸出している。
- 三陽工業(SYM) 台湾の二輪車メーカーで、スクーターやオートバイを作り、自動車の生産も手がけている。
- 新大洲本田摩托 ホンダと新大洲控股が出資する、中国の二輪車の生産・販売会社。スーパーカブなどを作っている。
- 隆鑫通用動力(ロンシン・モーター) 中国重慶市の二輪車メーカーで、オートバイやエンジンを作って国内外に販売している。
コミュニケーションの課題と視点
この市場セグメントの競争の構造から、コミュニケーションで想定される課題と、考えるための視点を整理したものです。いずれも Relens の分析・仮説です。
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01通勤・通学や買い物で使う生活者
原付の制度の変化を、わかりやすく伝える
背景
原付一種では保安基準や排出ガスの規制の強化への対応が求められている。2025年4月から、出力を抑えた125cc以下の二輪車も原付の免許で運転できるようになった。
想定される課題
どの車両が原付の免許で運転できるのか、従来の原付と何が同じで何が違うのかがわかりにくい。誤解があると、購入をためらったり、ルールを誤って運転したりするおそれがある。
視点
免許・交通ルール・税金・駐輪などの実際の使い方に沿って、新しい原付の扱いを具体的に伝える。販売店とも情報をそろえ、安心して選べる環境をつくる。
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02バイクを趣味とする人
走る楽しさとブランドの物語を、次の世代へつなぐ
背景
日本や欧米の二輪車市場では、趣味としての中・大型車が中心になっている。各社はレースの歴史や伝統のモデルなど、ブランドの物語を大切にしている。
想定される課題
愛好者が高齢化すると、市場が先細りになるおそれがある。電動化によって、エンジンの音や操る楽しさといった価値がどう変わるのかへの不安もある。
視点
免許の取得やはじめての一台、仲間とのツーリングなど、バイクを楽しむまでの道のりを支える情報や体験を用意する。電動車でも変わらない楽しさを、乗る体験を通じて示す。
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03販売店・配達事業者などの法人
電動二輪車を、仕事で使える選択肢にする
背景
電動二輪車では、航続距離や充電の時間が課題になる。メーカー各社は交換式バッテリーの共通仕様に合意し、バッテリーのシェアリングの仕組みも整えられつつある。
想定される課題
電池の交換場所の数や使い勝手、費用が見えなければ、配達などの業務での導入は進みにくい。メーカーごとの違いもわかりにくい。
視点
業務の走り方に合わせた電池の交換の運用や費用の目安を、導入事例とともに示す。共通仕様のバッテリーであることの利点を、メーカーをまたいで伝える。
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04投資家・金融機関
新興国の量販と電動化の投資を、両立して示す
背景
二輪車の需要の多くは新興国にあり、各社の収益もアジアなどの販売に支えられている。一方で、電動化には大きな開発投資が必要になる。
想定される課題
新興国の景気や為替、規制の変化の影響を受けやすい。電動化の投資が、いつ、どのように収益につながるのかが見えにくい。
視点
地域ごとの販売の動きと、電動車の投入の計画、電池やインフラでの協業の進み具合を継続して示す。エンジン車で得た収益を電動化にどう振り向けるのかを説明する。
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05地域社会・自治体
身近な移動手段として、安全と環境に応える
背景
二輪車は、公共交通の少ない地域での移動や、配達などの仕事を支えている。電動アシスト自転車も、子どもの送迎や坂の多い地域での移動に使われている。
想定される課題
交通事故や騒音、排出ガスなど、二輪車に対する否定的な見方もある。安全や環境への取り組みが伝わらなければ、社会からの理解を得にくい。
視点
安全運転の講習や交通安全の啓発、電動化による排出ガスの削減などを、地域での具体的な活動として示す。生活の足としての役割もあわせて伝える。
競合・提携・出資の関係
出典で裏付けられた関係は、まだ登録されていません。
この市場セグメントの用語
- 原付一種・新基準原付
- 原付の免許で運転できる二輪車。従来の50cc以下に加え、2025年4月から、125cc以下で最高出力を4.0キロワット以下に抑えた二輪車(新基準原付)も含まれる。
- OEM供給
- あるメーカーがつくった製品を、別のメーカーのブランドで販売するために供給すること。
- 交換式バッテリー
- 電池を車体から取り外し、充電済みの電池と交換して使う仕組み。充電を待つ時間を減らせる。
- 電動アシスト自転車・eバイク
- ペダルをこぐ力をモーターが補助する自転車。スポーツ用などの車種は海外でeバイクと呼ばれることが多い。